内容説明
東日本大震災と原発事故は、それまで誰も経験したことのない世界史的な出来事だった。それは歴史や文明に対して私たちに問いなおしを迫った。にもかかわらず“3.11”以後、日本社会は“ポスト・フクシマ・ナショナリズム”状況に陥り、閉塞に向かっている。“ポスト3.11”の問題性をいま、トランスナショナルな視点からとらえなおす。
目次
3・11と日本の「文化」
第1部 “ポスト3・11”と精神世界(死者と神の行方―文明史のなかでみる“ポスト3・11”;津波に呑まれて―否認とナルシシズムの日本社会)
第2部 労働の場とマイノリティー(苦境にある労働者―労働組合と原発下請労働者;震災と外国人マイノリティー―阪神淡路大震災と東日本大震災を比較して ほか)
第3部 表象の可能性と不可能性(生者と生きる―“ポスト3・11”の死者論言説;ジャンルとしての「震災後文学」と表象の限界 ほか)
第4部 アートとデジタル空間(遊び、祈り、売る―村上隆の“仏教アート”と“ポスト3・11”の文脈;交換様式からみたデジタル空間の支配構造)
著者等紹介
坪井秀人[ツボイヒデト]
国際日本文化研究センター教授。専門は日本近代文学・文化史
リヒター,シュテフィ[リヒター,シュテフィ] [Richter,Steffi]
ライプツィヒ大学東アジア研究所日本学科主任教授
ロート,マーティン[ロート,マーティン] [Roth,Martin]
ライプツィヒ大学東アジア研究所日本学科准教授。専門は日本研究、メディア研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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