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目次
第1章 ほんもののガッコウ―日本人だらけの小学校で「同胞」に出会う
第2章 わたしの「国語」は何語なんだろう?―はじめて出会う外国語と、中学校での日々
第3章 わたしは、失敗作なの?―台湾の夏と、高校へのあこがれ
第4章 わたしの中の「彼女たち」の名前―なつかしくて不思議な「第二外国語」を学びながら
第5章 わたしの国はどこにある?―大学で知る「南方訛り」と、上海留学でのできごと
第6章 「国語」から旅立って―「学ぶ」こと、「知る」こと、そしていくつもの声とともに
著者等紹介
温又柔[オンユウジュウ]
1980年、台北市生まれ。小説家。法政大学大学院・国際文化専攻修士課程修了。2009年、『好去好来歌』で第33回すばる文学賞佳作を受賞し、作家デビュー。両親はともに台湾人で、日本語、台湾語、中国語の飛び交う家庭に育つ。創作は日本語で行う。著作に、『真ん中の子どもたち』(集英社、2017年、第157回芥川賞候補)、『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社、2016年、日本エッセイストクラブ賞受賞、2018年に増補版刊行)など。2019年、「文学作品を通じて、複数の文化をルーツに持つ子供の豊かな可能性を示すとともに、日本語や日本文化の魅力を広く発信し、国際文化交流及び多文化共生社会の実現に多大な貢献をしている」として、文化庁長官より表彰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フム
26
父親の仕事で3歳から日本で暮らす温さん。家では故郷の台湾語や中国語が飛び交う環境の中にいるものの、自然に日本語だけ使うのがあたりまえになり、温さんには「日本語=言葉」になっていく。日々の想いを綴った日記ももちろん日本語だ。しかし、台湾人の家族を持つという事実は、温さんに、自分にとっての「国語」とは何か、「国」とは何かを考えさせることになる。どちらの国のことも自分の国であると、母国語であると言えない中途半端なふがいなさを抱えた温さんが、「わたしの言葉の杖は、日本語だ」と気がつく。→2020/01/13
いちろく
20
紹介していただいた本。台湾で生まれ幼少期から日本で育った著者自身が直面した「コトバ」について綴ったエッセイ。海外で生まれて日本に来て育った外国人の方や、複数の民族にルーツがある方は、容姿や言語に関してアイデンティティの問題に直面する場合があると聞いたことがあったが、正にそれに関しての内容。日本で生まれ日本で育った日本人の私には実体験がない、という意味で想像し難い部分も。それでも著者の率直な体験談は、読者の私にも日本語という言語を別の角度から見せてくれたのは、事実。確かに、私は何人か? と悩んだことはない。2023/10/10
mntmt
17
言葉はアイデンティティ。同じ言葉を話す人などいないと思う。2019/07/07
Boo
11
2歳の時に両親と共に日本にやってきた台湾人の温さんの自伝。日本人である私たちの国語=日本語であることに迷いはないけれど、温さんにとっての「国語」とは台湾語なのか中国語なのか日本語なのか。名前が日本人っぽくないために日本語を話しているだけで「上手だね」と言われてしまう、また両親が台湾人なのに、中国語が話せないことを「もったいない」と言われてしまう。そのため自分が中途半端だと感じることも。今は日本語で小説を書く温さん。日本人よりも日本語を大切に思う気持ちは強いと感じた。2020/08/14
できるだけ
11
久々の読了。図書館本です。良かった。言葉の悩み、国籍の悩みに揺れ動く人生の決断を書いた本ですが、他府県へ引っ越して言葉使いに戸惑った私も少し他人事とは思えない部分として共感できる場面、考え方がチラホラありました。この作家さんの他の作品読んでみたくなった。2019/11/20