内容説明
ドーピングは悪なのか?「スポーツ精神」がその根拠とされるが、ドーピングは競争・向上をめざす近代スポーツが生み出した必然ではないのか。ドーピング撲滅運動の問題性を指摘し、スポーツと社会のあり方を根底から問いなおす、関係者必読の書。日本の現状に合わせた訳者解説を付す。
目次
1章 エーロ・マンティランタ、(自然によって)遺伝子的に組み換えられたチャンピオン
2章 ドーピング、向上医学、スポーツの未来
3章 明日のチャンピオン―生まれつきの素質の最適化か、構造的な向上のプログラムか?
4章 反ドーピング政策―倫理的ジレンマ
5章 ドーピングと(は)スポーツ精神(である?)
6章 医療倫理とスポーツ的規範の押し付け(一九八五‐二〇〇九)
7章 ドーピングおよび諸々のドーピング的振舞いの防止
8章 医学的パフォーマンス、あるいはドーピングする医師
9章 スポーツ選手の身体の「自然」と「超自然」
10章 ハイレベルのスポーツ選手の活動の理解における「司令」と「自律」―ドーピング倫理にとって必要な知とは?
著者等紹介
ミサ,ジャン=ノエル[ミサ,ジャンノエル] [Missa,Jean‐No¨el]
ブリュッセル自由大学教授。歴史学および生命医学の哲学。ベルギー国立科学研究基金研究指導教授
ヌーヴェル,パスカル[ヌーヴェル,パスカル] [Nouvel,Pascal]
ポール・ヴァレリー・モンプリエ第三大学教授。哲学
橋本一径[ハシモトカズミチ]
1974年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は表象文化論、イメージ論、身体論。早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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