内容説明
子どもはつらさにどう対処しているか。心から離れない罪悪感にどう向きあったか。うまくいかない母娘関係を和解に導いたものは?誰もが人生のどこかでつまずき、つらさを乗り越える困難と向き合う。そんな時、何が生きる力となるのか。心理学者が文学作品、実在の人物の伝記やエッセイから読み解く。
目次
1章 子どもにとって「想像上の仲間」がもつ意味は何か―六つの文学作品をめぐって(移行対象の機能と意義;想像上の仲間 ほか)
2章 罪悪感は何に対してもたれ、償うために何がなされるのか―イアン・マキューアン『贖罪』と中島京子『小さいおうち』(望ましくない行動をした後の行動;望ましくない行動をした時にもたれる罪悪感 ほか)
3章 人は何を行動の基準にし、何に救いを求めるのか―遠藤周作の信仰をめぐる六つの小説の変遷(『黄色い人』―「なぜ悪いことをしないのか」「悪いこととは何か」の問い;『黄色い人』『海と毒薬』―正しいとされていることへの疑問と「正しさはあるのか」の問い ほか)
4章 幼少期に母親との関係が悪かった娘は、その後どうなるのか―マリア・カラスと佐野洋子の場合(マリア・カラスの場合;佐野洋子の場合 ほか)
5章 なぜ高村智恵子は精神的に破綻したのか―立ち直った二事例と比較して(智恵子の生涯;智恵子の精神的破綻をもたらした要因 ほか)
著者等紹介
山岸明子[ヤマギシアキコ]
東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。教育学博士(東京大学)。順天堂医療短期大学、順天堂大学医療看護学部、スポーツ健康科学部教授を歴任。専門は発達心理学・教育心理学。2014年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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