自閉症と感覚過敏―特有な世界はなぜ生まれ、どう支援すべきか?

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自閉症と感覚過敏―特有な世界はなぜ生まれ、どう支援すべきか?

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  • サイズ B6判/ページ数 185,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784788515079
  • NDC分類 493.937
  • Cコード C1011

出版社内容情報

◆自閉症の新たな理解のために

 ドナ・ウィリアムズ、東田直樹……自らの困難を内面から詳しく語れる自閉症者が増え、「感覚過敏」という症状がよく知られるようになりました。これら当事者の語りから学び、かつ語ることのできない多くの自閉症者の症状を集めて分析した著者は、感覚過敏はたんなる症状のひとつではなく、それこそが自閉症の発生源ではないのか、という仮説に至ります。男性脳や現代の生育環境といった要因との関係にもふれながら、その思考と検証の過程を紹介、当事者の感じ方に配慮した支援のあり方を探ります。自閉症理解に一石を投じる書!

自閉症と感覚過敏 目次

はじめに



第1部 感覚過敏がつくる世界



1章 長いあいだ見逃されてきた特性

 うるさい場所が嫌い

 五〇年以上見落とされてきた症状

 当事者たちの自伝によって明らかに

 敏感と鈍感の同居

 いちどきに大量の刺激を取り入れてしまう

 感覚過敏が生み出す世界

 自閉症スペクトラムのADHDとLDへのつながり



2章 自閉症者はどのような感覚過敏をもっているのか?

 自閉症児の親へのアンケートから

 聴覚過敏はどのように表れているか?

 視覚の過敏と変化への恐れ

 触覚・味覚・嗅覚の世界

 複数の感覚の統合がむずかしい

 こだわり行動について

 同調行動とミラーニューロン

 感覚と運動のあいだで起きる問題



3章 なぜ、人とのかかわりがむずかしくなるのか

 環境をかき乱す大人たち

 通常の子どもにとって大人とは?

 言語の獲得に必要な大人の存在

 共同行為と「心の理論」

 人の顔のわかりにくさ

 なぜ見分けにくいのか?



4章 つながりにくい記憶と時間

 部分と全体が結びつかない

 感覚過敏と時間と空間

 「順不同の静止画像の集積」

 名詞とくらべて動詞が学びにくい子どもたち

 記憶を作る点と線

 トラウマとフラッシュバック

 通常と異なる記憶システム

 出来事でなくカレンダーで時間を意識する

 ワーキングメモリーが働きにくい

 過去イメージと未来イメージ

 感覚過敏と創造性



5章 心と体のかみ合いにくさ

 バラバラな身体各部

 なぜ身体各部は統合しにくいのか?

 「自閉症の僕が跳びはねる理由」

 外部刺激から解放されたい

 行動コントロールのむずかしさ

 「あいまい処理」がむずかしくなる



第2部 自閉症の発生過程



6章 自閉症の大もとになる特性としての感覚過敏

 感覚過敏は「もうひとつの症状」にすぎないのか?

 自閉症の症状はどのように捉えられてきたか?

 言語・認知障害が先か、感覚過敏が先か?

 「障害の三つ組」説

 DSM‐5になって付け加えられた感覚過敏

 感覚過敏からこだわりを経てコミュニケーション障害へ

 症状と障害発生過程の見直しの必要



7章 もうひとつの要因としての男性脳

 自閉症はなぜ男性に多いのか?

 共感指数とシステム化指数

 感覚過敏をどう位置づけるべきか?

 男女大学生を対象にしたアンケート結果より

 感覚を共有する女性、ひとりとまどう男性

 自閉症生成の過程

 男性型の脳と女性型の脳の作用

 脳の特性から見た自閉症の位置

 自閉症の中の個人差と男女差

 男性脳のもうひとつの影響



8章 感覚過敏と初期発達

 三項関係が崩れやすい

 自閉症の言語消失現象

 一歳半を過ぎて強まる自閉症状

 歩けるようになってことばを失った子たち

 3タイプでの自閉症の現れ



第3部 支援の考え方



9章 自閉症の人と共存・協働していくために

共有の場所と自分の場所

 刺激の少ない生育環境の保障

 集団の場での刺激の制限

 集団の場のルールの見分け

 自分の時間の使い方



10章 構造化という方法

 人の行動はどのようにできているのか?

 選びながら先に進む構造

 頭の中に選択肢を作るのがむずかしい

 「構造化」という方法

 TEACCHプログラムの構造化

 感覚過敏と構造化

 場面に枠をつける効果

 様々な構造化



11章 言語による構造化

 ことばによる行動コントロール

 視覚メッセージと音声メッセージの違い

 動き出せない体

 言語の三つの機能

 ことばと「選びながら先に進む」構造

 文法の中にある構造化



12章 自閉症の中の特殊と普遍

 人だからこそ自閉症になる

 個別・特殊・普遍

 特化した支援と普遍的な支援

 三項関係とその発展型

 共同から協働へ

 体を使った活動の中での協働性

 関係の文字化・視覚化・イメージ化



あとがき

引用文献

索引

熊谷 高幸[クマガイ タカユキ]

内容説明

当事者たちが必ず口にする感覚過敏は、自閉症の成り立ちをも語っている!視覚、聴覚、触覚などに現れ、こだわりや鈍感にもつながる感覚過敏の意味を、当人の声や独自の調査により探り、自閉症理解を新しようとする書!

目次

第1部 感覚過敏がつくる世界(長いあいだ見逃されてきた特性;自閉症者はどのような感覚過敏をもっているのか?;なぜ、人とのかかわりがむずかしくなるのか;つながりにくい記憶と時間;心と体のかみ合いにくさ)
第2部 自閉症の発生過程(自閉症の大もとになる特性としての感覚過敏;もうひとつの要因としての男性脳;感覚過敏と初期発達)
第3部 支援の考え方(自閉症の人と共存・協働していくために;構造化という方法;言語による構造化;自閉症の中の特殊と普遍)

著者等紹介

熊谷高幸[クマガイタカユキ]
1947年愛知県に生まれる。早稲田大学第一文学部フランス文学専攻卒業。印刷会社に勤めながら法政大学夜間部で2年間心理学を学ぶ。東北大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、福井大学教育地域科学部教授を経て名誉教授。福井工業大学講師。専門は自閉症者のコミュニケーション障害とその支援。現在は、これに加えて、日本語についての研究も進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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s-kozy

78
有害本。これはひどい。以下、引用。「自閉症を生みやすい素質は遺伝などによってあらかじめ決まっているにしても、それがどのように現れるかは初期の生育環境が重要な役割を担っていると考えられる」(122頁)。「なぜ、この境目を超えて自閉症の方に移行する人々が増えてきたのか?第一の原因は、(略)、生まれて間もなくの家庭内の環境変化である」(161頁)。引用、以上。そんなことあるかーい!自閉症のことを知らない人や経験の浅い支援者や教育者がこれを読んだら「自閉症の◯◯さんは育った環境が原因で発症したのね」って誤解(続)2017/07/06

♪みどりpiyopiyo♪

36
自閉症の当事者の間では以前から言われていた「発達障害って身体障害だよね」「本当に困っているのは感覚過敏」って実感が見事な仮説にまとめられました☆ ■「自閉症の症状」として近年やっと医学的に認知された感覚過敏を、この本では、自閉症の結果ではなく、むしろ感覚過敏が自閉症の様々な不自由の原因なのではないか、他の発達障害も同様なのでは、と仮説を立てています。(例をコメント欄に)■前半の「感覚過敏と自閉症の関係性」に触れた部分は素晴らしかったのだけど、後半は残念な内容でした。(委細コメント欄へ)(2017年)(→続2017/08/13

Natsuko

17
自閉症について年々支援方法の考え方が変化している。学べば学ぶほど難しさも実感するが、引き出しを増やすことでより豊かな経験を積めるはず。以下メモ。外部の刺激からの回避行動と、刺激の受容とその世界への没入。感覚による運動の抑制、逆に感覚と強く結びついた行動は現れやすい。人の顔を見分けられない患者も。忘れて前に進むことが困難。全体的な一体感の保ちづらさ。縄跳びが苦手、ブランコが好き。システム化の高さと共感性の低さ。構造化という考えは広い立場から捉えるべき。関連図書として紹介されている「コンビニ人間」も読みたい。2019/12/10

ヒラP@ehon.gohon

16
自閉症の子たちの極端な行動変化について理解できたように思います。 著者が現場に直接関わりを持たない方なのか、理論と仮説に基づいている要素が多いので、誤解認識もあるようにも感じましたが。2017/12/14

ペダたま

10
なるほどという程に参考になりました。 もう少し早く読んでいたら、という思いもあります。2018/03/20

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