出版社内容情報
◆日本語で読める、ビジュアルデータを扱う手引き
質的研究では、写真、映画、絵など、さまざまなビジュアルデータが使用されます。本書は、どのようにしてビジュアルデータを収集し、分析するか、得られた結果をどのように研究の参加者や他の視聴者に提示するか、そして倫理的問題にどう対処するかについて、研究例を引きながら懇切に解説しました。ビジュアルアプローチは、研究対象の人々の見方を知る方法であるだけでなく、彼らの眼を通して世界を見る方法でもあること、すでにある素材をデータとして使うだけでなく、素材を作ること、そして最近のコンピュータによる分析にも、周到な目配りが利いた、待望の日本語で読める手引の刊行です。
質的研究におけるビジュアルデータの使用 目次
編者から(ウヴェ・フリック)
「SAGE質的研究キット」の紹介
質的研究とは何か
質的研究をどのように行うか
「SAGE質的研究キット」が扱う範囲
本書について(ウヴェ・フリック)
1章 はじめに
なぜ画像なのか(画像ではないのか)
ビジュアルであること
ビジュアルデータを用いた調査研究の計画と実行
重要な用語と概念
この本の構成
この本に掲載されたイメージについて
2章 社会調査におけるビジュアルデータの位置─概略史
はじめに
社会調査における写真の初期の利用
社会調査における映画の初期の利用
社会調査における写真と映画のその後の利用
その他のイメージの利用
3章 ビジュアルなものを研究するさまざまなアプローチ
はじめに─理論と分析
ものごとの見方と見られるもの
カルチュラル・スタディーズからのアプローチとそのほかの視点
形式主義の方法
リフレクシヴィティと他の経験的アプローチ
イメージの物質性
対象、分析、手法
4章 ビジュアルデータを用いた手法とフィールド調査
フィールドにおけるビジュアルデータを用いた手法
写真誘発法やその他の既存のイメージを用いた手法
写真誘発法
映画誘発法
画像を作ること
協働的な研究
倫 理
許可と著作権
5章 ビジュアルデータを用いた調査のプレゼンテーション
プレゼンテーションのいろいろな方法
視聴者を理解する
学術的な文脈でのビジュアルデータを用いた調査の
プレゼンテーション
研究協力者に向けたビジュアルデータを用いた調査の
プレゼンテーション
デジタルメディアとマルチメディアでのプレゼンテーション
イメージや他のデータの組織化
6章 結論─イメージと社会調査
われわれは何を学んだのか
ビジュアルデータを用いる手法の有用性について
訳者あとがき
注
用語解説
文 献
人名索引
事項索引
装幀=新曜社デザイン室
マーカス・バンクス[マーカス バンクス]
石黒 広昭[イシグロ ヒロアキ]
内容説明
世界はビジュアルデータにあふれている。しかしいまだに人文社会科学では、言語データを中心に研究が進められている。絵画、写真、映画、ビデオ、描画、図…その多声的で豊かな情報をどのように捉えたらよいのか?ビジュアルデータの特質を理解し、それを有効活用するためのノウハウだけでなく、利用上の注意点も指摘。初めて現場調査に行く人はもちろん、既にフィールドワークを経験している人にも役立つ入門書。
目次
1章 はじめに
2章 社会調査におけるビジュアルデータの位置―概略史
3章 ビジュアルなものを研究するさまざまなアプローチ
4章 ビジュアルデータを用いた手法とフィールド調査
5章 ビジュアルデータを用いた調査のプレゼンテーション
6章 結論―イメージと社会調査
著者等紹介
バンクス,マーカス[バンクス,マーカス] [Banks,Marcus]
オックスフォード大学社会・文化人類学研究所教授。ケンブリッジ大学で博士号取得後、ドキュメンタリー映画作家としての訓練を受けた。専門は、ビジュアル文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。