出版社内容情報
◆デジタル・ネイティブ論を超えて
デジタルメディアは、政治、経済、医療、教育、文化のあらゆる領域をグローバル化するとともに日常生活全域に溶け込み、新たな機会とリスクをもたらしています。このデジタル時代に生まれたデジタル・ネイティブたちはいかにメディアに関与し、状況を生かしているのでしょうか。日・米・英の三ヵ国における詳細なインタビューと参与観察から、デジタル革命/グローバル時代を生きぬく人間像を再構築します。15年にわたる著者の「若者とメディア」に関する研究をふまえた集大成です。著者は早稲田大学文学学術院教授。
デジタル・ウィズダムの時代へ 目次
プロローグ
1 本書の目的
変動する世界
デジタルネイティブ―新たな機会とリスク
21世紀に求められる若者像―グローバル人材]
2 本書の構成
第1章 デジタルネイティブを超えて
1 デジタルネイティブとは?
2 デジタルネイティブの研究動向
2―1 世界におけるデジタルネイティブ研究
2―2 日本におけるデジタルネイティブ研究
2―3 デジタルネイティブの定義
2―4 デジタル世代vs.非デジタル世代
3 デジタルネイティブに対する批判
4 デジタルネイティブを超えて
4―1 デジタルネイティブの再構築
4―2 世代論を超えて
第2章 コミュニケーションの複雑性モデル
―若者とメディアを捉えるための理論枠組み
1 「オーディエンス・エンゲージメント」の概念
1―1 「オーディエンスの能動性」が語られる文脈
1―2 「オーディエンスの能動性」から「オーディエンス・エンゲージメント」へ
2 日常生活のパラダイム
2―1 「能動的オーディエンス」のパラダイムから「日常生活」のパラダイムへ
2―2 自己形成とメディア
3 複雑系のパラダイムとメディア・オーディエンス研究
3―1 複雑系のパラダイム
3―2 オーディエンス研究と複雑系のパラダイム
4 コミュニケーションの複雑性モデル
第3章 つながり
―なぜ若者は絶え間ないつながりを求めるのか?
1 携帯電話と絶え間ないつながり
1―1 いつもオン
1―2 脱―埋め込み
2 ソーシャルメディアとつながり―日本の文脈から
2―1 ソーシャルメディアとウチ、空気
2―2 ソーシャルメディアと高コンテクスト文化/低コンテクスト文化
3 モバイル・メディアの機会とリスク
3―1 存在論的安心
3―2 トランスナショナルなつながり
3―3 絶え間ないつながりによる新たな機会とリスク
4 なぜ若者は絶え間ないつながりを求めるのか?
第4章 デジタルリテラシー
―新たな機会を最大に享受するためにはどうしたらいいか?
1 なぜ今デジタルリテラシーが必要なのか?
1―1 メディアリテラシーが語られる社会的文脈
1―2 デジタルリテラシーの定義
2 アクセス
2―1 情報検索
2―2 ウチの強化のための友達情報の探索
2―3 ニュースのカスタマイズ
2―4 情報のオーセンティシティ
3 クリティカル(分析・判断・利用・解釈)
3―1 ソーシャルメディアに対するクリティカルな解釈
3―2 マスメディアに対するクリティカルな解釈
3―3 Wikipedia の批判的利用
4 戦術的消費(Tactics)
4―1 時― 空間の構造化
4―2 広告に対する戦術
4―3 インフォーマル/フォーマル・ラーニング
5 協働
5―1 マルチタスク
5―2 プレイ、パーフォーマンス、シミュレーション
5―3 擬似的共視聴
6 共有・参加
6―1 親密圏の強化
6―2 公共圏の創造と参加
7 グローバル時代、デジタル時代において、新たな機会を最大に享受するためには
どうしたらいいか?
7―1 デジタルリテラシーとオーディエンス・エンゲージメント
7―2 グローバル人材とデジタルリテラシー
第5章 リスク
―リスクを最小限にするにはどうしたらいいのか?
1 リスク社会を生きる若者たち
2 いじめと誹謗中傷
2―1 ネットいじめのニュース報道
2―2 いじめと個人情報をさらす
2―3 保護者の介入
2―4 いじめの対処法
3 個人情報とプライバシー
3―1 投稿写真によるトラブル
3―2 Twitter―教室の遊びの延長
3―3 プライバシーの問題に関する対処法
4 ストーカーとオンライン上の出会い
4―1 Facebook ストーキング
4―2 オンライン上での出会い
5 中毒と依存
5―1 中毒
5―2 ソーシャルメディア疲れ
5―3 支配
6 リスクを最小限にするためにはどうしたらいいのか?
第6章 自己創造
―なぜ若者はメディアと関わるのか?
1 自己創造の概念
2 ソーシャルメディアと印象管理
2―1 リスキーな印象管理
2―2 リア充に印象管理
2―3 保守的な印象管理
3 自己表現
3―1 ソーシャルメディア・マネジメント
3―2 セルフィによる自己表現
4 自己実現
4―1 自己創造と日本の社会規範
4―2 トランスナショナルなテレビ番組と自己創造
4―3 ソーシャルメディアと自己創造
5 なぜ若者はメディアと関わるのか?
終章 グローバル時代を生きる若者たち
―21世紀日本とグローバル化の行方
1 グローバル時代、デジタル時代における若者の複雑性
1―1 個人の相互作用性と適応性
1―2 社会集団の複雑性
1―3 個人の自己創造とターニングポイント
1―4 文化の複雑性
2 21世紀日本とグローバル化の行方
2―1 日本におけるコスモポリタニズムの可能性
2―2 コスモポリタン的文化とトランスナショナルなつながり
2―3 コスモポリタン的文化とグローバル人材
エピローグ
* * *
補論 能動的オーディエンス研究の系譜
1 アメリカのコミュニケーション研究における「利用と満足」研究
1―1 初期「利用と満足」研究の再考
1―2 「利用と満足」研究の理論化と批判
1―3 「利用と満足」研究とオーディエンスの能動性
2 イギリスのカルチュラル・スタディズとヨーロッパの受容理論における受容研究
2―1 エンコーディング/ディコーディング・モデル
2―2 受容研究と「利用と満足」研究
2―3 受容研究vs.メディア帝国主義
3 日本の情報社会論における情報行動論
3―1 情報行動論
3―2 日本における「利用と満足」研究
3―3 情報行動論と「利用と満足」研究
付録 リサーチデザイン
1 調査概要
2 フィールドワーク
3 インフォーマント
4 データ分析
参考文献
索引
装幀= 新曜社デザイン室
高橋 利枝[タカハシ トシエ]
目次
第1章 デジタルネイティブを超えて
第2章 コミュニケーションの複雑性モデル―若者とメディアを捉えるための理論枠組み
第3章 つながり―なぜ若者は絶え間ないつながりを求めるのか?
第4章 デジタルリテラシー―新たな機会を最大に享受するためにはどうしたらいいか?
第5章 リスク―リスクを最小限にするにはどうしたらいいのか?
第6章 自己創造―なぜ若者はメディアと関わるのか?
終章 グローバル時代を生きる若者たち―21世紀日本とグローバル化の行方
補論 能動的オーディエンス研究の系譜
著者等紹介
高橋利枝[タカハシトシエ]
お茶の水女子大学理学部数学科卒業(理学士:数学)。東京大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士:社会情報学)。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)大学院博士課程修了Ph.D.取得(社会科学博士:メディア・コミュニケーション学)。現在、早稲田大学文学学術院教授。2010年オックスフォード大学教育学部客員リサーチ・フェロー。2010‐2011年ハーバード大学「インターネットと社会」バークマンクラインセンターファカルティ・フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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