理論で読むメディア文化―「今」を理解するためのリテラシー

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理論で読むメディア文化―「今」を理解するためのリテラシー

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  • サイズ A5判/ページ数 285p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784788514805
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C1036

出版社内容情報

◆困難な時代を生き抜くための「実践的」思想書

 活版印刷に起因するリテラシー(読み書き能力)は、デジタル・メディアやソーシャル・メディアなどの爆発的な台頭によって、いまや、メディア・リテラシー、情報リテラシー、コンピュータ・リテラシーなどとよばれ、多様な展開をしています。複雑化・高速化しつつある「今」を理解するためには、リテラシー概念そのものが変容を迫られているのです。そのようなリテラシーを我々はどうすれば得られるのか? 本書は、フーコー、スティグレール、フルッサー、ドゥルーズなどの理論を提示して、クレジットカード、ビデオゲーム、Jホラー、お笑い、ゆるキャラなどを含む、新しいメディア現象を題材に、「今」を読むためのリテラシーを掴み出そうとします。理論がいかに有効かを実演する、実践的な思想書といえましょう。

理論で読むメディア文化 目次

はしがき 松本健太郎



 第?部 テクノロジーから「今」を読む



第1章 ミシェル・フーコーと「玉ねぎの皮」

―デジタル・メディア社会の時空間構制論 水島久光

1 メタ理論のメタ理論、そしてまたその先のメタメタ…理論

2 「メディア学」の誕生

3 「侍女たち」から「近代」へ

4 その次の裂け目―テレビとマス社会という〈実定態〉

5 ベラスケスとマネ、そして桜井均―絵画空間とテレビ場

6 近代の出口における「表象」とは何か―アーカイブの問いへ

本章のまとめ ポスト近代の「表象」の主題―時間と距離との対話



第2章 ベルナール・スティグレールの「心権力」の概念

―産業的資源としての「意識」をめぐる諸問題について 谷島貫太

1 意識の流れと時間対象

2 スティグレールの文化産業論とクレーリーによる批判

3 「生権力」から「心権力」へ

4 「心権力」と産業的資源としての意識

本章のまとめ



第3章 貨幣の非物質化―クレジットカードと認知資本主義 山本泰三

1 クレジット

2 抽象と機械

3 国際ネットワークの起こり

4 システムとレント

5 情報とコントロール

本章のまとめ



第4章 メディアの媒介性と、その透明性を考える

―ヴィレム・フルッサーの「テクノ画像」概念を起点として 松本健太郎

1 映画『トゥルーマン・ショー』から考えるメディアの透明性

2 写真の透明性がもたらしたもの

3 ?無媒介性の錯視?を生成するデジタル・テクノロジー

4 視覚に紐づけられた触覚

本章のまとめ



 第?部 表象から「今」を読む



第5章 マッド・サイエンティストとトポス概念

―『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とメディア考古学 太田純貴

1 エルキ・フータモのトポス概念とメディア文化におけるマッド・サイエンティスト

2 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』におけるマッド・サイエンティスト

3 連続するマッド・サイエンティスト

4 マッド・サイエンティストの/と裂け目

本章のまとめ



第6章 唯物論的時間とエージェンシー―視覚文化批判 柿田秀樹

1 新しい唯物論にむけて

2 唯物論的転回と視覚文化の批判

3 ポストモダン芸術と唯物性―表象不可能な視覚性

4 唯物論的時間とコミュニカティヴなエージェンシー

5 主体の後に出現するエージェンシー

本章のまとめ



第7章 ビデオゲームにみる現実とフィクション

―イェスパー・ユール『ハーフ・リアル』を読む 河田 学

1 ゲームとは何か―ユールの「古典的ゲームモデル」

2 フィクションとしてのゲーム

本章のまとめ メディア技術としてのビデオゲーム



第8章 ジル・ドゥルーズを読む村上春樹

―『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』をめぐって 五井 信

1 文学研究と語り理論

2 分岐点としての〈過去〉

3 他者と出来事

4 クロノスとアイオーン

本章のまとめ



第9章 Jホラーにおける女性幽霊の眼差しとメディア

―ローラ・マルヴィのフェミニスト映画理論を起点として 鈴木 潤

1 『邪願霊』における女性幽霊の眼差し

2 メディアの変化にともなう女性幽霊の眼差しの変化―『邪願霊』から『リング』へ

3 メドゥーサとしての『リング』の女性幽霊・貞子

本章のまとめ



 第?部 社会から「今」を読む



第10章 〈スペクタクル〉な社会を生きる女性たちの自律化とその矛盾 田中東子

1 消費主体/消費客体の転覆とその波及

2 バラエティ豊かな「イケメン男性」の増殖

3 イケメン男性の消費・商品化が示す両義性

本章のまとめ



第11章 お笑いの視聴における「(多様な)読み」は可能なのか

―スチュアート・ホールのエンコーディング/デコーディング理論から 塙 幸枝

1 お笑いを「正当に」読むということ

2 現代的なバラエティ番組における「読み」の(不)可能性

3 『バリバラ』における「支配的な位置」の不明瞭性と「対抗的な位置」への拒絶感

本章のまとめ



第12章 ヒトとモノのハイブリッドなネットワーク

―「ゆるキャラ」を事例に 遠藤英樹

1 アクター・ネットワーク理論とは

2 メディア文化研究の流れ

3 「ゆるキャラ」のメディア文化論

4 ヒトとモノのハイブリッドとしての再帰的「ゆるキャラ」

本章のまとめ



第13章 ショッピングモールとウェブサイトの導線設計を比較する

―インターフェース・バリュー概念を手がかりに 大塚泰造

1 パソコンとインターネットにみる空間的隠喩

2 モールのデザイン/ウェブのデザインの歴史を比較する

3 Google以降の状況―空間的隠喩がもつ意味の変化

本章のまとめ



第14章 インターネットと対人関係

―若年女性のソーシャルメディア利用に関する調査から 天野美穂子

1 インターネット利用は対人関係や精神的健康を阻害するのか

2 日本の「インターネット・パラドクス」研究

3 インターネット(ソーシャルメディア)利用の影響―二つの調査データからの検討

本章のまとめ



事項索引

人名索引

執筆者紹介

装幀―難波園子

松本 健太郎[マツモト ケンタロウ]

内容説明

「今」を生きるためのツールを構想する。フーコー、ドゥルーズからスティグレール、ラトゥール、フータモなどの理論を起点に、激変する現代のメディア状況を読み解き、生きるためのツール=リテラシーを提示する。

目次

第1部 テクノロジーから「今」を読む(ミシェル・フーコーと「玉ねぎの皮」―デジタル・メディア社会の時空間構制論;ベルナール・スティグレールの「心権力」の概念―産業的資源としての「意識」をめぐる諸問題について;貨幣の非物質化―クレジットカードと認知資本主義;メディアの媒介性と、その透明性を考える―ヴィレム・フルッサーの「テクノ画像」概念を起点として)
第2部 表象から「今」を読む(マッド・サイエンティストとトポス概念―『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とメディア考古学;唯物論的時間とエージェンシー―視覚文化批判;ビデオゲームにみる現実とフィクション―イェスパー・ユール『ハーフ・リアル』を読む;ジル・ドゥルーズを読む村上春樹―『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』をめぐって;Jホラーにおける女性幽霊の眼差しとメディア―ローラ・マルヴィのフェミニスト映画理論を起点として)
第3部 社会から「今」を読む(“スペクタクル”な社会を生きる女性たちの自律化とその矛盾;お笑いの視聴における「(多様な)読み」は可能なのか―スチュアート・ホールのエンコーディング/デコーディング理論から
ヒトとモノのハイブリッドなネットワーク―「ゆるキャラ」を事例に
ショッピングモールとウェブサイトの導線設計を比較する―インターフェース・バリュー概念を手がかりに
インターネットと対人関係―若年女性のソーシャルメディア利用に関する調査から)

著者等紹介

松本健太郎[マツモトケンタロウ]
二松學舎大学文学部准教授。専門:記号論、メディア論、映像論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たっきー

1
第1章水島久光「ミシェル・フーコーと『玉ねぎの皮』」では、フーコーの独自性は17世紀の類似と19世紀の有限性に対する欲望を18世紀の表象が橋渡しする役割を果たしたことを発見した点にあるという。現代の対話空間においては映像表象も卑俗なツールになってしまっている。だから新しい世界における距離を読み取るための対話の科学が求められていると筆者は言う。第9章鈴木潤「Jホラーにおける女性幽霊の眼差しとメディア」では、ホラー映画が男性が見る側だつたが、「邪眼霊」「リング」で女性が見る側になるたいうのが面白かった。2019/07/29

センケイ (線形)

1
メディア文化は、魅力的なテーマゆえになかなか全容が見えてこないイメージがあった。そんな中、源流となる理論を、オムニバスな章構成でこうして整理しているこの本の有難きこと。章によっては難しい箇所があるが、読み進めているうちに分かってくる場合もあったので、留まらずにサクサク読んでいくのがいいかもしれない。身近な作品に理論を適用している箇所も多く、イメージがだんだん湧いてくる。普段無自覚に娯楽に活用している視覚や、そしてそれをとりまく環境に対して、より深いたしなみ方を覚えられたように思う。2018/11/29

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