出版社内容情報
暗い話ばかりの地方をなんとかしたいと宮崎県都城(みやこのじょう)市を訪れた著者は、そこで毎夏繰り広げられる山車、神輿、踊り、お囃子、縁日などのをはじめ、祭りの賑わいに圧倒されます。六月灯、おかげ祭り、祇園様の三つの祭りの成り立ちとしくみから、外部の開発に破壊されずに残った旧い制度や資産や精神が、「遅れてきた特権」となって祭りを存続させ地方都市を活気
づけていることを突き止めたのです。この分厚い事例調査から、脱産業化時代の都市コミュニティ再興と地域ガバナンスの理論化を試みる。
【著者紹介】
竹元 秀樹
法政大学講師
内容説明
“遅れてきたことの特権”とは何か。地縁の祭りが結ぶ都市の新たな共同性。島津氏発祥の地、宮崎県都城市の夏を彩る六月灯・おかげ祭り・祇園様。成長する自発的な地域活動のなかで、利己主義はどのように相互主義へ転回するのか。停滞と同一性に抗する地方都市の論理と持続力を、重層的に描き出す。
目次
序章 本書の目的と方法
第1章 小盆地宇宙の地方都市
第2章 地方都市型コミュニティ論からの示唆
第3章 都市祝祭論へのアプローチ
第4章 近隣祭りの持続と変容―「六月灯」の事例分析
第5章 自発的な地域活動の成長要因―「おかげ祭り」の事例分析
第6章 伝統的都市祝祭の伝承―「祇園様」の事例分析
第7章 地縁的な共同性形成の論理
補章 本書の提言と示唆
著者等紹介
竹元秀樹[タケモトヒデキ]
1955年宮崎県都城市生まれ。1978年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。1978年株式会社ディーシーカード勤務。2002年法政大学大学院社会科学研究科政策科学専攻博士課程入学。2012年法政大学大学院政策科学研究科政策科学専攻博士後期課程修了。現在、法政大学社会学部・同大学院公共政策研究科兼任講師。博士(政策科学)。専攻は地域社会学、都市社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。