内容説明
時間の中に生きる人間にとって、今の瞬間の意味は後知恵によって過去の経験を物語ることでしか見えてこない。そこには、歪曲や誤りが忍び込む。人間はナラティヴの囚人でもある。偽りのない自伝は可能か?善く生きるとは?私たちが避けられない経験理解の遅延の視点から、自己と人生について振り返る。
目次
序 後知恵の力
1章 後知恵、ナラティヴ、道徳生活
2章 ナラティヴな想像力
3章 道徳的な遅れ
4章 ナラティヴな無意識
5章 ナラティヴ早期終結
6章 物語の真実
7章 善き人生
コーダ 後知恵とその彼方
著者等紹介
フリーマン,マーク[フリーマン,マーク] [Freeman,Mark]
1955年アメリカ・ボストン市生まれ。1986年Ph.D.(シカゴ大学)。現在、ホーリー・クロス大学心理学教授。アメリカ心理学会理事、心理学における質的研究学会会長。オックスフォード大学出版局「ナラティヴ心理学の探究」シリーズ編者、雑誌Qualitative Psychology編集顧問。教育と研究上の関心は、心理学の歴史と哲学、自己の心理学、ナラティヴ心理学、芸術と創造性の心理学、宗教の心理学。主な著作はRewriting the Self(Routledge、1993。アルファ・シグマ・ニュー全米図書賞受賞)ほか
鈴木聡志[スズキサトシ]
1961年秋田県生まれ。筑波大学大学院博士課程心理学研究科を中退し、豊田短期大学講師、松蔭女子短期大学助教授を経て、現在、東京農業大学教職・学術情報課程准教授。専門は、教育相談、心理学史、ディスコース分析。大正期から昭和初期にかけての教育相談の理論、および色覚異常の社会史が現在の研究テーマである(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。