内容説明
異郷を訪ねる「観光」、異民族・異文化を並べる「博覧会」、異社会を調べる「フィールドワーク」。学問と政策において管理された“比較”実践から、帝国期日本のナショナリズムの想像力と経験を剔抉する。
目次
序章 はじまりの拉致
第1章 理論視角―移動・比較・ナショナリズム
第2章 「人類」から「東洋」へ―坪井正五郎の旅と比較
第3章 フィールドワークにおける「リスク」と「真正性」―鳥居龍蔵の台湾・西南中国調査
第4章 フィールドとしての博覧会―明治・大正期日本の原住民展示と人類学者
第5章 「台湾」表象をめぐる帝国の緊張―第五回内国勧業博覧会における台湾館事業と内地観光事業
第6章 「比較」という統治技術―明治・大正期の先住民観光事業
第7章 「比較」を管理する―霧社事件以後の先住民観光事業
第8章 フィールドワークとしての観光、メディアとしての民族―小山栄三の観光宣伝論と日本帝国の国際観光政策
第9章 「日本化」と「観光化」の狭間で―『民俗台湾』と日本民藝協会の台湾民藝保存運動
結語 比較と植民地的想像力
著者等紹介
阿部純一郎[アベジュンイチロウ]
1979年生まれ。名古屋大学大学院環境学研究科社会環境学専攻社会学講座博士後期課程単位取得満期退学。博士(社会学)取得。現在椙山女学園大学文化情報学部准教授。専門は、社会学。近年は、冷戦期日本の渡航管理制度と「不法出国」問題について研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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