内容説明
子どもを産めないこととは?家族を築くこととは?不妊治療をやめ、養子縁組を選んだ女性たち、中絶をした未婚女性たちのライフストーリーから浮かび上がる、子どもをもつことをめぐる現代女性の葛藤と人生選択。
目次
第1章 生殖補助医療技術の発展とその問題点
第2章 理論的・方法論的な基盤
第3章 不妊治療で受胎しなかった女性へのインタビュー―協力者と方法
第4章 子どもをもつ意味の問い直し―「産み」「育てる」選択の中で
第5章 不妊治療経験の語り方にみる発達―不妊治療を始め、葛藤し、やめる選択に至るまで
第6章 非血縁の家族の築きと「普通」という認識―AIDをする選択、養子縁組をする選択の中で
第7章 養子縁組で子どもを育てる経験と課題―不妊治療者のその次の選択からの提言
第8章 未婚の若年女性の中絶経験―受胎をめぐる選択
第9章 不妊当事者への生涯発達的支援
著者等紹介
安田裕子[ヤスダユウコ]
立命館大学大学院応用人間科学研究科修士課程修了、同文学研究科博士課程中退。博士(教育学、京都大学)。京都大学大学院教育学研究科教務補佐員、研究員を経て、現在、立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー、女性ライフサイクル研究所臨床心理士。専門は、臨床心理学、生涯発達心理学。5年間の社会人経験を経て、心理臨床をライフワークにしたいと目指して行った大学院で質的研究に魅せられ、現在は臨床と研究と教育に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てくてく
2
博士論文がベースになっていることもあり、やや硬質な文章であることが気になった。生殖医療において、最終的に治療を断念した人に注目した先行研究は確かにあまり無いだろう。そのため、マイノリティ中のさらにマイノリティとなってしまうことで、どのような支援が必要なのかという点が明らかになっていない。したがって、現段階ではインタビュー対象者が限られており、府変化は難しいかもしれないが、このような研究が発展して、多くの夫婦そして女性を支えるようなシステムが出来て欲しいと思う。2014/06/15
かーんたや
0
本当に欲しいという気持ちと節操のない医学や妊活ビジネスに振り回されている面と。男に問題あるのに女も不妊治療受けさせられたとか。イエのしがらみや個人主義の感覚が日独で違う。「あなたが母になれて幸せなら喜んで別れる」という夫のおもいやり。一般書として書き直して出したら結構いろんな形で役に立ちそうな本2018/12/22