内容説明
日本語は主語や目的語の省略が多い。助詞「は」と「が」を使い分ける。英語アレルギーの日本人が多い…なぜ?言語獲得期の子どもと大人のやりとりの基本形、「共同注視」の視点から日本語の特質を解き明かした、新・日本語論。
目次
1章 日本語は映像的な言語である
2章 三項関係にもとづく「こそあど」の構造
3章 日本語におけることばの省略
4章 「は」と「が」―映像の枠と要素の選択
5章 「は」と「が」の組み合わせ
6章 過去や未来への視点合わせ
7章 視点移動とことばの組み立て
8章 共同注視者としての私とあなた
9章 日本語の臨場感・映像性
10章 世界の言語の中の日本語
著者等紹介
熊谷高幸[クマガイタカユキ]
1947年愛知県に生まれる。早稲田大学第一文学部フランス文学専攻卒業。印刷会社に勤めながら法政大学夜間部で2年間心理学を学ぶ。東北大学大学院教育学研究科(教育心理学専修)博士課程単位取得退学。現在、福井大学教育地域科学部教授。専門は障害児心理学。主に、自閉症者のコミュニケーション障害とその支援について研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トゥクトゥク
10
日本語が「こそあど」や「てにをは+が」を駆使して、説明の少ない短い文章でも映像的である、という考えに、なるほどなあと。志賀直哉の小説を読んでいると、よくここまで短く推敲できるもんだと、その表現の短縮具合に関心するけれど、一見説明の少ないその文章が実に映像としてよく頭に浮かぶのは、これが原因だったんだと改めて思いました。これから文章を書くときは、念頭に置いておきたい興味深い考え方でした。2014/07/12
Chicken Book
6
日本語の構造を「共視」という切り口で説明している。日本語の「は」と「が」の使い分けを「映画の文法」という映像の理論で解説した頁は興味深かった。また、言語習得と自閉症の関係について述べられているのは、著者の専門を活かした面白いポイントである。2021/09/26
Kaholly
2
記録。2016/04/26
ライチ
2
「は」と「が」の使い分けについてが面白かった。確かに、言われてみればそうだなといった感じ。2015/09/30
13km
2
日本語がなぜ映像的になったのか気になる。そもそも言語自体が映像的なもので日本語が古い形を残した言語なのかどうなのか。2013/10/15