内容説明
なぜそこにあるのか。だれが運んできたのか。書いた人ではなく仲介した人という視点から、また、どこで読むかという視点から、読むという経験を問い直し、書物と読者の関係を捉え直す「リテラシー史」。海を越えて移動する書物の流れとそれに携わった人びとの関係を、デジタル時代の変容も視野に入れてたどり、新しい「知の流通史」を展望する。
目次
書物と場所の歴史学
第1部 越境する書物(書物の場所と移動の歴史―書物の日米関係から;書物の戦争・書物の戦後―流れとしての占領期接収文献;今そこにある書物―書籍デジタル化をめぐる新たな闘争)
第2部 書物と読者をつなぐもの(一九三三年、米国日本語図書館を巡る―高木八尺の調査から;人と書物のネットワーク―角田柳作と書物の交流史;越境する文化を支えるもの―国際交流基金と国際文化会館 ほか)
リテラシー史から見えるもの
著者等紹介
和田敦彦[ワダアツヒコ]
1965年高知県生まれ。1994年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1996年信州大学人文学部助教授。2007年早稲田大学教育・総合科学学術院准教授。2008年同教授。博士(文学)。現在、早稲田大学図書館副館長。『書物の日米関係』で、日本図書館情報学会賞(2007年)、日本出版学会賞(2008年)、ゲスナー賞銀賞(2008年)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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