社会はいかに記憶するか―個人と社会の関係

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788512399
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C1039

内容説明

文学、神話・宗教学、文化人類学から古今東西の題材を豊かに汲み上げ、社会の記憶と身体・歴史・儀礼をめぐるしなやかで知的刺激に満ちた探究へ誘う、珠玉の一冊。

目次

第1章 社会の記憶(回想の作用;フランス革命 王の公開処刑/フランス革命 衣服のスタイル;歴史の再構築/ライフ・ヒストリー;個人の記憶/認知の記憶/習慣の記憶;精神分析/実験心理学/ウィンチ 習慣と規則/サーリンズ 衣服の「言語」/社会的慣習の記憶;アルヴァックス 集合的記憶)
第2章 記念式典(ヒトラーと記念式典;世界宗教と儀礼;儀礼とシンボル表象/儀礼と集合表象/儀礼と歴史;儀礼と神話/ギリシャ神話/儀礼の言語;忘却・模倣・反復/再現のレトリック 暦/言葉/身振り)
第3章 身体の実践(具体化と表記/姿勢/アルファベット/映画;身体の技巧・礼儀作法・儀式/ジェスチャー/テーブルマナー/貴族;プルースト・サン=ルーのふるまい/サドナウ ジャズピアノ/習慣とは;解釈学/ローマ法/聖書/パフォーマンス)

著者等紹介

芦刈美紀子[アシカリミキコ]
ケンブリッジ大学にて社会人類学博士号取得。現在、同大学社会人類学部研究員。2004年に日本女性の化粧にまつわる慣習と社会の記憶についての論文“The Memory of the White Face:Japaneseness and the Ideal Image of Women”,Japan Forum vol.15,no.1 2003でDaiwa Japan Forum Prize受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

陽香

2
201108152016/10/25

メルセ・ひすい

2
15-65  社会の記憶をテーマに、個人と社会の関係について独創的かつ明解な理論を展開した名著の翻訳 。記憶は個人的な能力であると同時に集団が共有できる「文化」でもある。…そして社会の記憶がいかに伝達されるか…  文学、神話・宗教学、文化人類学から題材をくみ上げ、社会の記憶と身体・歴史・儀礼をめぐる知的刺激に満ちた探究へ誘う。 ①社会の記憶 ②記念式典 ヒトラー 世界宗教と儀礼 …儀礼と神話 ③身体の実践 プルースト サン=ルーのふるまい …ローマ法 聖書…  2011/09/14

ゆうき

1
社会の記憶とは個人の体験の総意であり、それをマスメディアや式典、博物館によって記憶を一つの物語としてまとめ維持し再起し一つの社会の記憶とし社会全体で共有され伝統として受け継がれていく。個人は記憶を身体を持って記憶しシンボルや表象よりも個人に大きな影響を与える。2013/01/03

飛燕

1
アルヴァックスは「集合的記憶」を提唱し、それと個人の記憶との関係を考察した。コナトンはその「集合的記憶」がどのように世代を越えて継承されたのかを検討している。彼が注目したのは儀礼(セレモニー)における形式性と身体的動作である。それらはあくまで形式的でほとんど変わることがなかったがゆえに、儀礼の「記憶」が継承されていったと論じている。論旨も明快ながら、訳も非常に丁寧で読みやすい著作。

☆☆☆☆☆☆☆

0
デュルケムっぽい社会的記憶の機能としての儀礼解釈。特徴的なのは身体的振る舞いをその重要な要素と指摘し、儀礼においては過去の出来事が遂行的に再現されると主張する点か。それにしても、なぜ訳者はincorporationを「具体化」と訳したのだろう。これは「受肉」か、わかりやすくするなら「身体化」ですよね。解説もなんかピュアなデュルケム主義に後退してる気がする。2016/06/24

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