内容説明
五感の拘束を解き放って、共感覚の世界へ。文学作品、幻覚体験、宗教、メディア―響きあう感覚は現実世界のカテゴリーを溶解し、体験にまるごと密着して、万物が照応するアニミズムの世界観へと人を導く。
目次
序章 共感覚の問題性
第1章 知覚かレトリックか
第2章 聴くことの多様な広がり
第3章 夢想と幻覚
第4章 宗教からみた共感覚
第5章 「万物照応」という思想
第6章 共感覚と社会
終章 なぜ共感覚なのか
著者等紹介
原田武[ハラダタケシ]
1933年、京都市生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を経て、1958年、大阪市立大学大学院修士課程を修了。専攻はフランス文学。立命館高等学校、帝塚山大学、大阪外国語大学、関西福祉科学大学に勤務。現在、大阪外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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butterflyonapin
4
言いたいことはわかるんだけれども一共感覚者としてはかなり嫌な本だった。ものすごく共感覚をロマンティックに考えてると思う。2013/04/23
ポカホンタス
4
「共感覚」について、幅広く文献を検討しまとめられている。特に文学表現の中での共感覚についての実例が豊富で読み応えがある。著者は1933年生まれだから現在79歳。その年齢とは思えないみずみずしい内容。大変参考になった。2012/03/04
るい
3
共感覚の世界がどのようなものなのか、その一端を知ることができた。2018/07/02
はすのこ
3
引用ばかりで、著者の持論が薄い。2016/01/27
ちあきほ
1
読んでる間、バリウムのんでる気分でした…。感覚の交流、言い換えれば混線・混合ではないかと。より豊かな表現に共感覚的な技法ら有効であり、それは必ずしも作者が共感覚の持ち主と言えるものではない。知覚としての共感覚は揺らぐ事がなく、個人の中では統一されている事が多いらしいが、そこが気になっているのにな…。香りの話は香道部なので共感できた気がするが。2012/11/16