内容説明
研究者が現場に入り、当事者と共に変化を巻き起こし、新しい社会を生み出すために。実際から理論まで、著者の実践経験のすべてを注いで書かれた、アクションリサーチへの招待。
目次
アクションリサーチの魅力と責任
第1部 アクションリサーチとは何か(アクションリサーチとは何か;語りとアクションリサーチ;アクションリサーチを記述する―「書簡体論文」の可能性)
第2部 震災体験の語り継ぎに関するアクションリサーチ(「語り直す」―4人の震災被災者が語る現在;「語り合う」―10年目の震災語り部活動;「語り継ぐ」―生き方で伝える、生き方で応える)
第3部 社会構成主義と社会的表象理論―アクションリサーチの理論的基盤(社会的表象理論と社会構成主義;“環境”の理論としての社会的表象理論;社会構成主義と人生の物語―映画『ワンダフルライフ』に学ぶ)
著者等紹介
矢守克也[ヤモリカツヤ]
1963年生。大阪大学大学院博士課程単位取得退学。博士(人間科学)。ヨハネス・ケプラー大学客員教授、ウィーン環境大学客員研究員などを経て、京都大学防災研究所教授。京都大学大学院情報学研究科教授、人と防災未来センター震災資料研究主幹、語り部KOBE1995顧問、(財)集団力学研究所評議員、(特非)日本災害救援ボランティアネットワーク理事、(特非)大規模災害対策研究機構理事、などを兼務。主な専門領域は、社会心理学、防災人間科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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torum
1
アクションリサーチとは何かを知りたくて、この書を手に取った。第一部、第一章は、まさに「アクションリサーチとは何か」という見出し。しかしながら、概念は示されているものの具体的な手順についての記載は無く、その後の章ではアクションサーチの報告や内省についてまとめられている。それら自体は非常に読み応えのあるものだが、なぜそのように実施したのかなど分からない点が多く、アクションリサ―チとは何?を知りたい初心者にとっては難しい内容である。ある程度理解できたときに読み返してみたいと思う。2017/01/18
なさぎ
0
続編の『アクションリサーチ・イン・アクション』はだいぶ前に読んだが、3.11以前に書かれた本書の方が、理論的な側面が強い様に思う。特に第7章、社会的表象理論を社会構成主義的に突き詰める部分は興味深く、筆者の理論的思考の緻密さが如実に表れている。「"理系(⇒自然科学的)"の方が"文系(⇒非論理的)"よりも"論理的"で"優れている"」という発想自体、社会的に構成されたものに過ぎず、それ自体の正当性の無条件な肯定はされ得ない。2019/09/04
出原樹音
0
おもしろかった。2018/08/29
阿部
0
今更ながら。 既存論考の寄せ集め特有の中心線の取れなさはあるけれど、アクションリサーチの基本の1つとして、思考の礎になる。2018/04/17