1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産

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1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産

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  • サイズ A5判/ページ数 1011/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788511644
  • NDC分類 309.021
  • Cコード C1030

出版社内容情報

◆「あれ」は何を遺したか、今という時代は?◆

本書は「1968年」に象徴される「あの時代」、全共闘運動から連合赤軍にいたる若者たちの叛乱を全体的に扱った、初めての「研究書」です。本書は、「あの時代」を直接知らない著者が、当時のビラから雑誌記事・コメントなどまで逐一あたって、あの叛乱がなぜ起こり、何であったのか、そして何をもたらしたのか、を時代の政治・経済的状況から文化的背景までを検証して明らかにします。その説得力には、正直驚かされます。また読み物としても、『〈民主〉と〈愛国〉』で証明済みですが、その二倍の頁数の本書においても、まったく飽きさせることなく一気に読ませてくれます。

下巻では、新宿事件、爆弾事件、ベ平連、ウーマン・リブ、そして連合赤軍を取り上げ、「あの時代」の後半期に起きたパラダイム転換が、後世に何を遺したのか、その真の影響を明らかにします。そこではじめて、ある意味で局所的な事象にすぎなかった「あの叛乱」を取り上げた今日的な意味が浮かび上がります。

◆1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産――目次

第12章 高校闘争
高校生運動の出現/高校生活動家の実例/蓄積されていた不満と叛乱の芽/「卒業式叛乱」の頻発/六九年秋以前の高校闘争/最大の叛乱となった青山高校闘争/高校闘争の連続発火/高校闘争の顛末

第13章 六八年から六九年へ――新宿事件・各地全共闘・街頭闘争の連敗
三派全学連の分裂とセクト間抗争の激化/六八年の「国際反戦デー」/「新宿騒乱」事件/世論の離反を招いた新宿事件/ブームとなった全共闘運動/自己目的化したバリケード封鎖/各地の「全共闘運動」の理想と現実/六九年の全共闘運動の結末/「全国全共闘」の結成/完敗に終わった「沖縄デー」/打ちつづく街頭闘争の敗退/「ゲバ棒とヘルメット」の時代の終わり

第IV部

第14章 一九七〇年のパラダイム転換
「戦後民主主義」という言葉/マルクス主義者とブントの「民主主義」批判/マルクス主義者の「近代主義」「市民主義」批判/六〇年安保後の『民主主義の神話』/ベ平連周辺の「戦後民主主義」再検討/新左翼と全共闘の「戦後民主主義」批判/破壊された「わだつみ像」/アジアとマイノリティへの注目/「ナンセンス・ドジカル」から入管法闘争へ/「民族的“原罪”」としての差別と戦争責任/華青闘の新左翼批判と七〇年のパラダイム転換/転換の背景と問題点/武装闘争論の台頭/内ゲバの激化

第15章 ベ平連
ベ平連の結成/穏健とみられていた初期ベ平連/ベ平連の転換点/若者の流入と各地ベ平連の結成/ベ平連を躍進させた脱走兵援助/脱走兵援助の舞台裏/佐世保での活動と佐世保ベ平連の誕生/「新しい型のコミュニケーションを作り出す運動」/「六月行動」での市民団体共闘/年長者と若者の対立とセクトの介入 /ベ平連の「急進化」/年長者と若者との緊張と協調/花を抱えたデモ/全共闘運動との関係/脱走兵援助の実情とスパイ/新宿西口フォーク・ゲリラ/衝突現場に突き進んだ花束デモ/不定型の運動/六九年六月一五日の成功/ベ平連の拡大と「黒幕探し」/「ハンパク」での糾弾騒動/「オールド・ベ平連」批判/高揚から停滞へ/一つの季節の終わり/分散化していくベ平連/『冷え物』論争/「一粒の麦もし死なずば」

第16章 連合赤軍
赤軍派の誕生/内ゲバ初の死者と赤軍派結成/壮大な計画とその失敗/ハイジャック成功と解体していく赤軍派/重信房子の出国と森恒夫の赤軍派トップ就任 /ヒューマニストだった坂口弘と永田洋子/革命左派の結成/革命左派の群像と武装闘争/永田の最高指導者就任/強盗を行なった赤軍派/革命左派の交番襲撃 /赤軍派との接触と革命左派の処刑未遂/追いつめられる革命左派/山に集められた革命左派/煽りあう赤軍派と革命左派/二人の処刑実行/「連合赤軍」結成と事件の背景/永田による遠山批判/リンチの始まりとその理由/失なわれた最後の機会/大槻と金子のリンチ死/森と永田の結婚と逮捕/「ミニ・ディズニーランド」での銃撃戦/警察の報道操作と「覗き見趣味」の報道/過剰反応を示した若者たち/連合赤軍事件の虚像と実像

第17章 リブと「私」
女性活動家たちの境遇と不満/「性解放」と「性的搾取」/リブの誕生前夜/リブ・グループの主張/「言葉がみつからない」苦悩/田中美津とその経歴/田中のリブ活動の開始/武装闘争論への傾斜/田中の転換/「革命の大義」からの脱却/「自分の分身」としての連合赤軍解釈/連合赤軍解釈から消費社会の肯定へ

結論
「あの時代」の叛乱とは何だったのか/民主教育の下地とアイデンティティ・クライシス/なぜ「政治」だったのか/「政治運動」としての評価/「自我の世代」の自己確認運動/「彼ら」が批判されるべき点/国際比較/高度成長期の運動/高度成長に適合した運動形態/大衆消費社会への「二段階転向」/「一九七〇年パラダイム」の限界/それぞれの「一九六八年」  彼らの「失敗」から学ぶもの



あとがき
関連年表
索引

内容説明

新宿事件、高校闘争、内ゲバ、爆弾事件、べ平連、リブ、そして連合赤軍。「あの時代」の後半期に起きたパラダイム転換は、何を遺したのか。後世への真の影響を初めて明らかにし、現代の「私たち」の位置を逆照射する下巻。

目次

第3部(高校闘争;六八年から六九年へ―新宿事件・各地全共闘・街頭闘争の連敗)
第4部(一九七〇年のパラダイム転換;べ平連;連合赤軍;リブと「私」)
結論

感想・レビュー

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獺祭魚の食客@鯨鯢

32
1968年はまだ小学生だった。学生運動は社会問題への行動として一般市民の理解があった。しかし「団塊の世代」の若者はヘルメットと角棒などという暴力的行動に走り、そして内ゲバなど暴徒化したため市民から見放され自己崩壊。 それらを若気の至りとして心にしまったが、一部の者は文化人としてそ知らぬ顔している。著名人が学生時代の行状をよそにメディアに登場し社会批評などするのを見ると単なる日和見主義者であったのだと思う。 今また政治的にキナ臭い状況になっているが、もう熱く呼応する若者はいない。2023/04/01

壱萬弐仟縁

26
第12章 高校闘争。 高校生運動は共産党関係。 松本深志高校で反戦高協 云々、なんて書いてある(13頁)。 エリート高校の中にもそういう人がいたのだな。 「いまの高校での生活に生きがいはありません。 みな受験と出席と単位をとることだけに夢中」。 高校生活動家ということか。 深志高校の教師は、 「もう生徒にどう話していいかわからん」 と心中を吐露している(36頁)。 注によると、 鈴木博雄『高校生運動』に出ているようだ。  2014/05/15

ぐうぐう

13
小熊英二は、1960年代後半に起きた学生運動が、高度成長下の「何のために自分は生きているのか」といった若者達の「現代的不幸」から生じた集団摩擦現象であったと説く。そうした「心」の問題を「政治」運動という形態で表現しようとし、しかしそれに失敗した行為であったと。当時の若者達の、未熟さゆえの稚拙な行いを批判しつつも、小熊は安易に一笑することをしない。日本史上初めて「現代的不幸」に集団的に直面した世代が繰り広げた大規模な自分探しの運動は、初めてであるがゆえに、その想いを言語化する能力に足りなかった(つづく)。2013/01/16

てれまこし

10
戦争、飢餓、貧困などの近代的問題ではなく実存的自己確認という現代的問題。政治ではなく自分探し。大衆消費社会に対する摩擦運動。労働者に代わる犠牲者としてのマイノリティへの視線。現実に代わる理想を過去にも未来にも同時に求める。現代史をもっと学べと言ってる自分が明治大正にばかり目を向けて、自分の直近の先輩についてぜんぜん知らなかったのだから笑い話にもならん。全共闘世代に対する批判もほぼ全部当てはまる。自分の考えてきたのも教養主義と大衆消費社会にはさまれて揺れ動く甘え世代の観念論にしかすぎなかったのかもしれない。2021/09/08

tom

4
目次を見たとき、この「叛乱」の最後の章がどうしてウーマンリブなのかと、とても不思議に感じた。でも、この本を読み通してみて、あの時代におきたパラダイム変換の象徴的な現れがウーマンリブ(フェミニズム)だったのだろうと思うようになった。 この本は、すごい体力勝負で作られた本です。手に取ってから読了まで3か月はかかったけれど、大部にもかかわらず、とにかく読みやすい。そして、下手な小説よりもよほど面白い。2011/10/23

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