出版社内容情報
一般に領土問題といえば、国家間の国境線の引き方をめぐる国際政治上の問題と考えられることが多い。しかし、国境線をめぐる紛争において当事国が主張する国境線の引き方は、その国が標榜するナショナル・アイデンティティの問題に深くかかわっている。領土問題は国際政治上の問題であると同時に、ナショナル・アイデンティティをめぐる国内政治上の問題でもあるのだ。本書は、そのような視点から戦後ドイツの東方領土問題を考察しようというものである。(「はじめに」より)
内容説明
帝国かホロコーストか。戦争によって戦前の領土の4分の1にあたる東方領土を喪失し、1400万人が追放されたドイツ。その歴史と向き合うなかで対峙する二つのナショナル・アイデンティティ。その論争から日本は何を学べるか。「補論・東方領土問題と日本」収録。
目次
失われた領土―戦後ドイツの東方領土問題
第1部 理論的・歴史的前提(ナショナル・アイデンティティの分析枠組み―理論的前提;東方領土問題の発生―歴史的前提)
第2部 戦争終結から東方諸条約批准まで(一九四五‐一九五五 国境修正要求の形成―帝国アイデンティティと東方領土;一九五五‐一九六一 「否認」のディレンマ―「正常化」への模索と帝国アイデンティティ;一九六一‐一九六九 オーデル=ナイセ線承認への動き―ホロコースト・アイデンティティの台頭 ほか)
第3部 東方諸条約批准から現在まで(一九七二‐一九八二 「和解」の継続と停滞―対立するナショナル・アイデンティティの攻防;一九八二‐一九八九 忘れられぬ領土―再浮上する帝国アイデンティティ;一九八九‐一九九一 ドイツ統一と国境の最終確定―「ドイツ帝国」の消滅 ほか)
結論
著者等紹介
佐藤成基[サトウシゲキ]
1963年東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中途退学。カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院修了。Ph.D.(社会学)。日本学術振興会特別研究員、茨城大学助教授を経て、法政大学准教授。比較ナショナリズム研究、歴史社会学、社会学理論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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jntdsn13