内容説明
個人として生きることの難しい近代日本社会において、個人主義を貫こうとした漱石。その苦闘の足跡を彼の作品のなかにたどり、日本人にとって個人であることの現代的意味を問うユニークな試み。
目次
個人から超個人へ
第1部 作品にみる個人主義の問題(個人主義の困難と自己変容―『それから』をめぐって;テュケーの効果―『夢十夜』の第三夜をめぐって;他者の発見あるいは倫理の根拠―『道草』をめぐって;外部性の探求と個人主義―『行人』をめぐって)
第2部 夏目漱石にみる個人主義の問題(自然と自己本位―『草枕』を中心に;自己本位と則天去私(上)―『こころ』を中心に
自己本位と則天去私(下)―『明暗』を中心に)
“他律”の個人主義とは何か
著者等紹介
亀山佳明[カメヤマヨシアキ]
1947年、岡山県に生まれる。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士(京都大学)。現在、龍谷大学社会学部教授。文化社会学、スポーツ社会学、コミュニケーション論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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