出版社内容情報
本書は美そのものについての研究書ではなく、ビューティー・サロンという特定の文脈をつうじて「美容産業」をどのように定義できるかについての調査書である。どちらにも美という語が含まれているが、私が注目したのは、ビューティー・サロンの中での客とセラピストが何に関心を抱いているかであった。彼らの経験は「美」という一般的な表現には還元できないものなのだ。(「第1章」より)
内容説明
ビューティー・サロンは「女らしさ」を読み解く絶好のスポット。身体・ジェンダー・健康をめぐる利用客の多彩な関心と、美容という労働の位置と経験を鮮やかに浮かび上がらせ、新たなフェミニスト思想の地平を拓く。
目次
第1章 「ふつうの人たちがいらっしゃるんです」―ビューティー・サロンとはどんなところ?
第2章 美を創り出す―ビューティー・サロンの歴史
第3章 心地よいだけでは不十分―ビューティー・サロンにおけるアイデンティティ
第4章 美容という見えない労働
第5章 きれいになると、気分もいい―ビューティー・サロンで健康増進
第6章 「店を出るときには気分がすっきり」―まとめ
著者等紹介
ブラック,ポーラ[ブラック,ポーラ][Black,Paula]
マンチェスター大学、ダービー大学を経て、現在、サセックス大学社会学部准教授。研究の主要な関心は階級、ジェンダー、身体、高等教育。セクシュアリティとツアリズムについての研究にも取り組み、現在、イギリスの高等教育の変化について研究を進めている。質的研究への造詣が深く、これらの方法についても教えている
鈴木眞理子[スズキマリコ]
ドイツ語、英語、オランダ語翻訳家。科学技術や環境分野の翻訳に長くかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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