出版社内容情報
問題は、物質的なことでも、技術的なことでも、また組織上の問題でもなく、ひとえに意識の問題である。文明的な意味で生き延びることが可能であるためには、人類は自由主義とそのベンサム・システムによる洗脳を払い除けねばならない。つまり、所与の資源をいかに理性的に社会的に使用するかについて、そもそも既成の枠にとらわれずに考えることを可能にするために、人類は、いわば内面化された強制と盲目的な貨幣マシンの不当要求をふたたび吐き出さねばならない。これが意味するのは、支配的な社会形態、カテゴリー、基準、これらをなんらかの異なる組合せでグループ化しようとすることなどではなく、これらをとにかく理屈抜きに廃棄することであろう。……これらの維持しえなくなった全システム連関は、停止させるほかないのである。じじつ、きわめて醜悪な資本の世界マシンが完全に爆発して、人間文明の残余を破壊へとひきずりこんでいかないうちに、このマシンを停止させてスクラップにするためには、この世界マシンに対する世界規模の社会経済的な「機械打ちこわし運動」が必要なのだ。(「エピローグ」)
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【関連書籍】
『 資本主義黒書 上巻 』 R・クルツ著 (定価6930円 2007.5月)
内容説明
市場経済が導入されてからの300年の資本主義の歴史をたどり、約束された「豊かな社会」の実態がついに明らかになった!これでもわれわれは資本主義にこだわるのか?市場経済の終末=地獄絵図を活写。
目次
第7章 全体主義的な世界市場=民主主義体制
第8章 第三次産業革命の歴史
著者等紹介
クルツ,ローベルト[クルツ,ローベルト][Kurz,Robert]
1943年、ドイツのニュルンベルク生まれ。大学では哲学・歴史・教育学を専攻。ラディカルな社会批判をこととする雑誌『クリージス』(2004年まで)、次いで現在は『エクシット』の共同発行人
渡辺一男[ワタナベカズオ]
1946年、神奈川県小田原市生まれ。東京都立大学大学院博士課程中退(ドイツ文学専攻)。オーストリア在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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