愛着からソーシャル・ネットワークへ―発達心理学の新展開

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  • サイズ A5判/ページ数 197,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788510470
  • NDC分類 143
  • Cコード C3011

出版社内容情報

 発達心理学では母子の愛着が重要視され、そこからたくさんの研究が生まれてきました。しかし愛着の重視は、発達をめぐるその他の重要なネットワークを無視することに繋がってしまったのではないか?――社会的ネットワーク理論の世界的な研究者が問題提起に愛着理論の研究者がコメントするという形で、本書は編まれ、研究者には見逃せない一冊となりました。
 
 人間は生存のためだけではなく、よりよく生きるために、生涯にわたって他者を必要としている。・・・そして、人間が複数の重要な他者と親しい関係を持つことは実証的にも明らかにされてきた。しかし、圧倒的に多くの研究は、二者関係だけをとりあげて検討している。たとえば、母と子、友人同士、恋人たち、妻と夫という具合にである。これらの研究では、子どもやおとながもつ多様な人間関係の中から、特定の二者だけを切り取って問題にしていることになる。この典型が愛着理論である。これに異を唱えて、個人が生涯にわたって同時に数人の重要な他者を持つことを理論化する必要性を主張するのが、ソーシャル・ネットワーク理論であり、筆者もこれに与するのである。(「人間関係の生涯発達理論」より)

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 【関連書籍】
 『 二歳半という年齢 』 久保田正人著 (定価2310円 初版1993を復刊)
 『 子どもの認知発達 』 U・ゴスワミ著 (定価3780円 2003)
 『 実践ネットワーク分析 』 安田雪著 (定価2520円 2001)

内容説明

乳児期の母・子「愛着」関係によって、発達の可能性は決まってしまうのだろうか?多様な人々からなる社会的環境としてのソーシャル・ネットワークの視点からの批判と提言。愛着理論家からの忌憚のない反論も同時収載。

目次

第1部 ソーシャル・ネットワークの概念化―四つの提案論文(子どもと家族―ソーシャル・ネットワーク・モデル;児童・青年期の人間関係―コンボイ・モデルによる検討;人間関係の生涯発達理論―愛情の関係モデル;アカゲザルの母子の愛着、仲間関係、ソーシャル・ネットワークの発達)
第2部 提案論文への四つのコメント(愛着、人間関係、「よいことはすべて一緒におこる」という理念;ソーシャル・ネットワークの中の愛着―進化論的ソーシャル・ネットワーク・モデルへ;愛着の文化生態学的な問題の多元論による解決;グローバル化時代のソーシャル・ネットワーク研究―地域性をいかに超えるか)
第3部 全体への二つのコメント(複数の人間関係についての多面的な考察;愛着、ソーシャル・ネットワーク、発達的文脈)

著者等紹介

ルイス,マイケル[ルイス,マイケル][Lewis,Michael]
ニュージャージー医科歯科大学のロバートウッドジョンソン医科学校の教授で、付属児童発達研究所長。1958年にペンシルヴァニア大学で学位(B.A.)を社会学で、1962年に博士号(Ph.D.)を心理学で取得。認知についての豊かな知識を背景にしながら、感情、自己、家族関係、ソーシャル・ネットワークなどの社会・情動的領域においてユニークで重要な理論や研究を精力的に発表している。著書も論文も数多く、もっとも影響力のある心理学者のひとりである。愛着の幼児期からの連続性の仮説に一石を投じた研究もある

高橋惠子[タカハシケイコ]
聖心女子大学文学部教授。1972年東京大学から博士号(教育学博士)を心理学で取得。国立音楽大学、創価大学を経て1986年から現職。専門は生涯発達心理学で、一貫して人間関係の生涯発達を乳児期から高齢者までを対象に、理論的、実証的に検討している。生涯発達の視点から乳児の愛着の研究、その研究協力者の20年後の愛着面接による研究もしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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1
アタッチメント関連の本久々。コメント部分が面白かった。安定型の「安定」というラベルは普遍的な意味を持たないって指摘にははっとした。あと印象に残ったのは、あとがき部分の、日本の研究は世界の動きから遊離しやすいってとこ。文化に根ざした研究とか言って概念を好き勝手使うのは違うと思うし、やっぱ英語で文献読むのしんどいけどがんばろー。2012/07/16

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