出版社内容情報
明治から昭和まで歌人・詩人・フランス文学者として活躍して、多くの翻訳をなした堀口大學。10年以上にわたる海外生活や翻訳の業績がこれまで注目され、堀口の翻訳が日本近代文学に与えた影響という側面から主に議論されてきた。
だが、堀口自身が精力的に展開した文学実践や、彼の活動が日本文壇に与えた「異国情緒/エキゾチシズム」のインパクトは注目されてこなかった。
堀口大學の文学者としての経歴を、創作詩作『月光とピエロ』や訳詩集『月下の一群』などを中心に理解する。そのうえで、原文と翻訳テクストの比較などをとおして、堀口によるポール・モラン作品の翻訳とモダニズムの関係性、「新しさ」への志向、堀口自身の詩歌・随筆の射程を明らかにする。
堀口大學が日本文壇で異国情緒というイメージをまとい、それが解体・展開していくプロセスを比較文学的な視点から追い、堀口の詩歌や随筆が日本の翻訳――文体・語句・テーマ性――に与えた影響に光を当てる。
内容説明
堀口大學が日本文壇で異国情緒というイメージをまとい、それが解体・展開していくプロセスを比較文学的な視点から追う。堀口の詩歌や随筆が日本の翻訳―文体・語句・テーマ性―に与えた影響を浮き彫りにし、翻訳にとどまらない堀口の文学実践に新たな光を当てる。
目次
第1部 翻訳家・堀口大學の誕生(日本での西洋文学の翻訳;文学青年・堀口大學;日本に帰国後の活動)
第2部 Modernismとモダニズム―堀口大學の翻訳をめぐる新しさ(Modernism作家Paul Morandとモダニズム作家ポオル・モオラン;「文芸時代」とポール・モラン;ポール・モラン作品の堀口大學訳)
第3部 異国情緒としての堀口大學(堀口大學の文学活動を支えた文芸雑誌―異国性の醸成;堀口大學の新たな役割―異国性の解体/転換)
著者等紹介
大村梓[オオムラアズサ]
山梨県立大学国際政策学部准教授。専攻は日本近現代文学、比較文学、翻訳研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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