出版社内容情報
「社会学の古典」であるピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』。1979年に刊行された原書の問題設定・理論・方法を批判的に継承し、質問紙調査とインタビューを組み合わせた社会調査によって、2000年代以降のイギリス社会の分析に応用したのが本書である。
文化的な嗜好・趣味――音楽・読書・視覚芸術・テレビ・スポーツなど――は、それを選択した人々の行動・実践にどのように影響しているのか。嗜好・趣味と、階級やジェンダー、エスニシティ、教育、年齢などとの関係性を、調査結果から立体的に照射する。
そして、ハイカルチャーも大衆文化も区別なく摂取する文化的雑種性をめぐる議論を踏まえて、文化が資本・資産として社会のなかで機能することを丁寧に描き出す。
「格差」「分断」が叫ばれる日本社会の実情を、量的調査・質的調査の両者を通じて、実証的に分析するための道具立てとしても有用な一冊。
内容説明
「社会学の古典」であるピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』。1979年に刊行された原書の問題設定・理論・方法を批判的に継承し、質問紙調査とインタビューから、現代のイギリス社会で文化的な嗜好・趣味が資本として機能していることを立体的に照らし出す。
目次
第1部 分析の位置づけ(『ディスタンクシオン』以後の文化;文化資本の調査に向けて―理論と方法に関するいくつかの問い)
第2部 嗜好・実践・個人のマッピング(イギリスの文化的趣味と関与のマッピング;文化マップのなかの諸個人)
第3部 文化界と文化資本の構成(音楽界の緊張関係;人気と稀有と―読むことの界に関する探究;視覚芸術の社会学的カンバス;卓越化の対照的なダイナミクス―メディア領域;文化資本と身体)
第4部 卓越化の社会的次元(中産階級の文化形成;文化と労働者階級;ジェンダーと文化資本;ネイション、エスニシティ、グローバル化)
著者等紹介
ベネット,トニー[ベネット,トニー] [Bennett,Tony]
ウェスタンシドニー大学文化研究センター教授とメルボルン大学人文学部プロフェッショナル・フェローを兼任
サヴィジ,マイク[サヴィジ,マイク] [Savage,Mike]
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会学部教授と国際不平等研究センターの共同所長を兼任
シルヴァ,エリザベス[シルヴァ,エリザベス] [Silva,Elizabeth]
オープン大学教授
ワード,アラン[ワード,アラン] [Warde,Alan]
マンチェスター大学社会学部教授
ガヨ=カル,モデスト[ガヨカル,モデスト] [Gayo‐Cal,Modesto]
ディエゴ・ポルタレス大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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