内容説明
「豊かさ」が文化を生み出してきた従来から転換し、社会が縮小する時代に人々が生み出し享受する文化とはどのようなものになるだろうか。現代の日本で新たな思想や価値につながる何かが芽生えているのか。あるいは制度や社会的な圧力によって生まれなかったものがありはしないか。国際日本文化研究センターでの共同研究会をもとに、多種多様な専門をもつ執筆陣がそれぞれの視角からの問題提起を行う。書籍後半には、京都国際マンガミュージアムで行われた企画展「縮小社会のエビデンスとメッセージ:人口・経済/医療・福祉/教育・文化/地域・国際、そしてマンガ」(二〇二二年一月‐五月)の記録として、しりあがり寿による縮小社会を考える四コマや、「縮小社会を考えるマンガ」の紹介などを収録した。
目次
総論 縮む日本社会と文化創造のゆくえ
第1篇 論考(文化空間の縮小;文化と労働;「地方」からの文化創造;福祉からの文化創造)
第2篇 「縮小社会のエビデンスとメッセージ:人口・経済/医療・福祉/教育・文化/地域・国際、そしてマンガ」展の記録(全体趣旨;会場図・写真;展示をどのように構成したか;縮小社会を考える「キャラクター」紹介;マンガから考える“縮小社会”/“縮小社会”から考えるマンガ/イトウユウ/縮小社会を考える「マンガ作品」/来場者コメントにみる縮小社会での「生」のつむぎ方 山田奨治/関連企画の記録)