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内容説明
ジャポニスムとは、一九世紀後半にフランス近代画家等が積極的に日本趣味や美意識を取り入れた文化現象を主に指してきたが、近年では「世界に向けて発信された日本文化」といった、越境的な時空で展開する日本文化表象および受容を広く示す言葉として流通し始めている。近代美術史や近代文学研究のサブフィールドとして捉えられてきたジャポニスム的な現象や表現、そしてその評価と批評には、今日のグローバルな文化における「日本」の座標を理解する有益な手がかりが多く含まれている。本書の狙いは、日本の外からあるいは日本の外を意識してイメージされた「日本文化」を研究する問題点と可能性を、ジャポニスム研究をリードする学者らが提起することにある。
目次
第1部 ジャポニスム研究のはじまり(ジャポニスム研究の展開―斜かいから眺めた回顧;西洋美術史におけるジャポニスムの周縁化について;近代日本における美術史上の「ジャポニスム」への認識;日本人にとってのジャポニスム―彼らはそれをどう受け入れたか)
第2部 ジャポニスムの主体としての日本(もうひとつの博物館としての農商務省商品陳列館―殖産興業とジャポニスム;日本人がつくったジャポニスム・イメージ―一九三〇年代の国際観光局のポスターから見えてくること;ジャポニスムから「日本主義」へ―野口米次郎の浮世絵論と浮世絵詩を中心に)
第3部 ジャポニスム研究の越境性(エルネスト・シェノーの美術批評再考―英仏文芸交流からジャポニスムへ;朝顔をめぐる英語圏のジャポニスム―ガーデニングから禅まで;mousm´eからsh^ojoへ―フランスメディアにおいて構築、「継承」される未熟なかわいい日本女性像)
第4部 現代とジャポニスム研究(拡散するジャポニスム、模倣される“ラ・ジャポネーズ”―日米比較から見えること;ジャポニスム研究のレンズでみる現代―グローバル化する着物を事例に)