内容説明
近代日本画壇の巨匠・竹内栖鳳(一八六四~一九四二)。その評価と研究は、これまで彼の前半生に集中していた。本書では、彼の後半生の絵画創作に焦点を当て、前半生の表現から進展を見せた水墨風景画について論じる。水墨技法と作品素材の関係性や、現地での写生取材、絵画表現の成り立ち、当時の画壇動向と展覧会など、多角的な観点からの分析によって、栖鳳の画業を再考し、栖鳳晩年の水墨風景画を近代日本美術史に位置付ける。
目次
第1章 栖鳳晩年の水墨風景画の全貌
第2章 「淡交会展」における挑戦
第3章 潮来風景の写生取材の実態
第4章 中国と潮来の風景表現の連繋
第5章 「栖鳳紙」開発と作画意図
第6章 近代水墨画と栖鳳の画境
著者等紹介
藤木晶子[フジキアキコ]
1984年生。京都市立芸術大学美術学部卒業。同大学院美術研究科修士課程修了。同博士(後期)課程修了。博士(美術)。現在、京都市立芸術大学美術学部非常勤講師。専門は近代日本美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。