硫黄と銀の室町・戦国

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  • サイズ A5判/ページ数 374p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784784220069
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C3021

内容説明

一四~一七世紀の日本で採掘が進み、東アジア諸国に大量に輸出された「硫黄(サルファー)」と「銀(シルバー)」。その大量産出は、日本社会に新たなビジネスを生む一方で、アジアおよび世界の軍事・経済的な需要と結びついて、東アジア全体の貿易構造の転換をもたらした。本書は、文献史学と考古学の研究成果を融合させ、分析化学の解析データも援用しながら、生産・流通・交易・消費といった様々な視点から、鉱業社会の長期的変遷を追究する。さらに鉱物資源の偏在に起因する人間の競合・奪取・独占の営みを念頭に、硫黄を征したサルファー大名(大友・島津)から銀を征したシルバー大名(毛利・豊臣・徳川)への覇権の移行を浮き彫りにする。

目次

第1部 硫黄と銀の世界史(日本列島の硫黄とアジアにおける「硫黄の道」;銀の島日本に関する情報をめぐって―スペイン・ポルトガルのアジア戦略;近世初期東アジア海亥間の硫黄貿易;中国明代における銀の貨幣化―その全体的視野)
第2部 硫黄山・銀山の考古学(石見銀山遺跡における発掘調査研究の成果;博多遺跡群出土の中世初頭の硫黄;堺環濠都市遺跡から出土した硫黄)
第3部 サルファーラッシュ・シルバーラッシュの産地と社会構造(サルファーからシルバーへの時代転換;『戊子入明記』と「硫黄の道」;一六世紀東アジア海域の軍需品貿易―硝石・硫黄・鉛;近世初期石見銀の産地と産業)

著者等紹介

鹿毛敏夫[カゲトシオ]
1963年生。九州大学大学院人文科学府博士後期課程修了。博士(文学)。名古屋学院大学国際文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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六点

125
14世紀から17世紀にかけて日本で大量に採掘・輸出された銀と硫黄。その輸出は東アジアのみならずタイやカンボジアに至るまで羽翼を広げていた…と言う時点で心踊ろせるものがある。やがてメキシコ銀の市場と、アジアは変化し、世界的な経済システムに組み込まれていく画期となる。この本では日本史・日本考古学のみならず、支那経済史・東南アジア史を含む学際的分野からの論考を集めて一書としたものである。この種の論集としての読みにくさはあるもの、諸論考は非専門者にも分かりやすく。銀と硫黄の世紀を学べるものと言える。2023/06/10

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