内容説明
戦前期の日本海軍は、民衆・社会と良好な関係を構築するために、さまざまなPR活動を展開していた。そこには、民衆とのコミュニケーションを通じて有効なPR方法について模索し、試行錯誤を繰り返しながらつくり上げていく軍隊の姿があった。日露戦争後から第一次世界大戦、ワシントン体制という政治・社会状況の変化の中で、日本海軍はどのようなPR活動を行っていたのか。日本海軍にまつわる公文書や新聞報道を手掛かりに、これまで宣伝という枠組みで論じられてきた日本の軍隊によるコミュニケーション活動を、PR(Public Relations)の視点から分析し、現代の日本社会における社会と軍事組織とのあり方について一石を投じる。
目次
第1部 近代日本における軍隊とPR(「PR」の視点からみる近代日本の軍隊と民衆・社会;日本海軍のPR活動を分析する―PRのマネジメント・プロセスモデルと海軍記念日講話)
第2部 海軍におけるPR活動の萌芽と民衆―日露戦争~第一次世界大戦(日露戦争後の海軍と民衆;第一次世界大戦前後における海軍のPR活動;第一次世界大戦前後における海軍と世論)
第3部 海軍におけるPR活動の積極化と世論―軍縮問題(軍縮をめぐる言説空間;軍縮期における海軍のPR活動;軍縮期における海軍と世論;戦前期の「軍艦便乗」にみる海軍のPR活動と民衆)
著者等紹介
中嶋晋平[ナカジマシンペイ]
1981年大阪府生。2004年富山大学国際文化学部卒業。2010年大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。現在、大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター研究員、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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