内容説明
東京国立博物館蔵「月次祭礼図〓風模本」は、江戸時代に「月次祭礼図〓風」を写したもので、その失われた原本は、室町時代中期のものであったと考えられている。応仁の乱以前の京都の風俗を描いた〓風は他になく、この模本は貴重な絵画資料となっているが、彩色は不完全であり、欠損もあるため、元の絵画がどのようであったかは不明な点が多かった。愛知県立芸術大学を中心に、日本画、美術史、文献史学など多方面の専門家の協働により学際的に原資料の復元が試みられ、その過程でさまざまな新知見が得られた。ベールに包まれた室町時代の京都に光をあてる画期的プロジェクトの成果を公開。
目次
図版編(「月次祭礼図〓風模本」;復元「月次祭礼図〓風」)
論考編(「月次祭礼図〓風模本」の図像復元について;「月次祭礼図〓風模本」復元技法の色と表現;室町やまと絵のなかの「月次祭礼図〓風」;東京国立博物館所蔵模本類と「月次祭礼図〓風模本」について;「月次祭礼図〓風」に描かれた幕府と神社;「月次祭礼図〓風」に描かれた室町期の祇園会)
著者等紹介
岩永てるみ[イワナガテルミ]
1968年生。東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復日本画博士課程修了。博士(文化財)。愛知県立芸術大学美術学部日本画専攻准教授
阪野智啓[バンノトモヒロ]
1975年生。愛知県立芸術大学美術研究科日本画専攻修了。修士(芸術)。愛知県立芸術大学美術学部日本画専攻准教授
〓岸輝[タカギシアキラ]
1971年生。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(美術)。東京大学大学院人文社会系研究科准教授
小島道裕[コジマミチヒロ]
1956年生。京都大学文学研究科博士課程単位修得退学。博士(文学)。国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学文化科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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