内容説明
本書は、桓武天皇朝以降に見られるとされる天智天皇系皇統意識(新王朝意識)の見直しを出発点に、平安時代初期の桓武天皇朝・嵯峨天皇朝における儀礼の導入や整備、文徳天皇朝以降の儀礼の変遷や新たな儀礼の創出について考察を加えることで、平安時代前期を中心とした古代日本の儀礼秩序の構築過程の一端を明らかにする。
目次
第1部 桓武天皇朝の皇統意識再考と儀礼の導入(桓武天皇と儀礼・祭祀;日本における昊天祭祀の受容;奈良時代に見られる郊祀の知識―天平三年の対策と聖武天皇即位に関連して;山陵祭祀より見た皇統意識の再検討;古代日本の宗廟観―「宗廟=山陵」概念の再検討;「不改常典」に関する覚書)
第2部 古代正月儀礼の整備と変質(天地四方拝の受容―『礼記』思想の享受に関連して;唐帝拝礼作法管見―『大唐開元礼』に見える「皇帝再拝又再拝」表記について;「儀仗旗」に関する一考察;正月朝覲行幸成立の背景―東宮学士滋野貞主の学問的影響;朝賀儀と天皇元服・立太子―清和天皇朝以降の朝賀儀を中心に;延長七年元日朝賀儀の習礼―『醍醐天皇御記』・『吏部王記』に見る朝賀儀の断片―小朝拝の成立;皇后拝賀儀礼と二宮大饗)
著者等紹介
佐野真人[サノマサト]
昭和57年、静岡県生まれ。皇學館大学研究開発推進センター助教。皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程国史学専攻単位取得満期退学、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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