内容説明
説話とは何か?まったくの創作でもなく古記録でもない、このつかみどころのない作品たちはなぜ生まれ、いかに編纂され、そして伝えられたのか?日本史学や日本文学、宗教学、文化史学の研究者が一堂に集い、「説話」という文学ジャンルを解明すべく企図された、国際日本文化研究センター共同研究の成果。各分野の研究者たちがそれぞれの研究手法と知見を持ち寄り、説話文学と歴史史料の間を往還しつつ、説話研究に新たな地平を拓く。
目次
第1部 説話と歴史史料(歴史叙述としての説話;文学の側から読んだ公家日記―『明月記』の月 ほか)
第2部 説話の生成(「コノ話ハ蓋シ小右記ニ出シナラン」考―『小右記』と説話との間に;古今著聞集と文体―漢字文の混入と諸相 ほか)
特集 説話の国際性(日本とベトナムの十二支の違い;丁部領王の説話とベトナムのホアルー祭 ほか)
第3部 内在する歴史意識(称徳天皇と道鏡―『古事談』巻一巻頭話考;『長谷寺験記』編纂と下巻三十話の役割 ほか)
第4部 説話の変容(日記と説話文学―円融院大井川御幸の場合;武内宿禰伝承の展開―武内宿禰神格化の様相を中心に ほか)
著者等紹介
倉本一宏[クラモトカズヒロ]
1958年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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