目次
第1部 大日本帝国の時代から(論文 はたして言語学者はふがいないのか―日本語系統論の一断面;論文 帝国大学の創設と日本型社会科学の形成 ほか)
第2部 戦後の光景(論文 エポックメイキングな歴史書―大塚久雄・越智武臣・川北稔の歴史学;論文 “国文学史”の振幅と二つの戦後―西洋・「世界文学」・風巻景次郎をめぐって ほか)
第3部 戦後は明治をどうとらえたか(論文 学問を、国という枠からときはなつ―アメリカのフランス革命、ソビエトの明治維新、そして桑原武夫がたどった途;対談 明治絶対王政説とは何だったのか ほか)
第4部 再録(論考 『つくられた桂離宮神話』より;論考 歴史はどこまで学統・学閥に左右されるのか)
著者等紹介
井上章一[イノウエショウイチ]
1955年・京都府生。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。工学修士。国際日本文化研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
10
人文科学の研究をしばるものは、政治権力か、イデオロギーか、学派の違いか、分野の違いか。日本語タミル語起源説、邪馬台国論争、明治絶対王政説など、様々な事例からその様相・せめぎ合いを探っていく。明治絶対王政説に関して、同じイデオロギーによりながらも日本側がソ連側の「公式見解」をスルーしたり、日本側も「講座派」と「労農派」とで見解が分かれたりと、イデオロギーより優先されるものがある、あるいはイデオロギーの同一性が学説の同一性を保証するわけではないということが示されているのが面白い。2018/01/13