江戸教育思想史研究

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  • サイズ A5判/ページ数 563,/高さ 23cm
  • 商品コード 9784784218660
  • NDC分類 371.21
  • Cコード C3021

出版社内容情報

エリート教育か、藩士全体の教養の底上げか―。
教師による講釈か、自由闊達な議論を認める集団読書(会読)か―。

学問が出世に結びつかない身分制社会の近世日本において、ようやくつくられはじめた学校はさまざまに展開する可能性があった。学ぶ理由が明確でないなかで、学校はいかに生まれ、人々はそれになにを求めたのか。学習の方法、教育の目的に注目することで、官学/私学、儒学/国学/蘭学といった枠組みを超え、17世紀から明治初期までを見通し、江戸教育思想史に新たな地平を拓く。

序 章 江戸教育思想史序説
近世と近代の連続・断絶/「教育」と学校/国家有用の英才「教育」/子弟「教育」/二つの教化/学びの学問/講釈と講談/江戸教育思想史の歴史内在的課題

第?編 学校構想と家訓

第一章 林家三代の学問・教育論
林家塾の「教方」/博覧強記の学問/講釈と門生講会/五科十等の制/私塾から学校へ/教育と教化の方向性

第二章 江戸前期の学校構想―山鹿素行と熊沢蕃山との対比―
「物知り」批判/「いがた」による庶民教化/庶民教化の学校/武士の教育機関としての学校/「同志」との議論講習/庶民教化と武士教育

第三章 山鹿素行における士道論の展開
士道論の研究史上の問題/『甲陽軍鑑』『武教全書』の軍隊統制法/朱子『小学』と『武教小学』/武士道と職分/封建官僚の士道論

第四章 貝原益軒における学問と家業
学問と家業の並列/家業における勤労精神/学問の「楽」/不朽への意志


第?編 儒学の学習法と教育・教化

第一章  太宰春台の学問と会読
徂徠の会読奨励/春台の社会観・人間観/学問の法則/会読の規則/「衆議」と決断/私的空間の学問

第二章 一八世紀の文人社会と学校
彦根藩の文人サロン/会読の三つの原理/藩校建設の是非論争

第三章 細井平洲における教育と政治―「公論」と「他人」に注目して―
「公論」形成の場/「他人の交り」/「相身互」い/「家国の安危」の「相談」/庶民教化と講釈/「他人と他人との附合」の先駆

第四章 寛政正学派の『中庸』注釈
昌平坂学問所の学制改革と会読/四書注釈の基本的立場/注釈の方法/注釈内容の特徴/注釈と会読


第?編 国学と蘭学の学習法と教育・教化

第一章 一八世紀日本の新思潮―国学と蘭学の成立―
国学と蘭学の創業意識/「草木と同じく朽」ちない個人/同志との会読/二つの日本意識

第二章 江戸派国学と平田篤胤―村田春海・和泉真国論争をめぐって―
会読の場での論争/語釈の問題/「日本魂」の問題/平田篤胤のスタンス/理性と信仰

第三章 平田篤胤の講釈―『伊吹於呂志』を中心に―
講釈家篤胤/「無学な人」の「学者ぎらひ」/講釈(講談)による庶民教化/「皇国」への帰属意識/一君万民論の成立


第?編 私塾と藩校

第一章  広瀬淡窓における学校と社会
淡窓の実力主義/風俗から隔離した学校/奪席会と競争/「官府」の介入事件/隔離された学校での自信

第二章 吉田松陰における読書と政治
横議横行の先駆者/松陰の会読体験/「語」の発見/朋党/読書から政治の場への転換

第三章 長州藩明倫館の藩校教育の展開
創設期と重建期との関連/創設期の風俗教化の目的/創建期の人材教育の目的/風俗教化と人材教育の間/重建期の人材教育への特化/会読における実力と平等
/会読の政治討論の場への転換/藩校と私塾の対立図式の再考

第四章 加賀藩明倫堂の学制改革―会読に着目して―
人格修養の場としての会読/第一期の学制改革/第二期の学制改革/第三期の学制改革/平等化の工夫/試験制度の試行錯誤/学校と人材登用

第五章 明治前期の「学制」と会読
会読と寛容精神/「学制」の教育理念と輪講/郷学の輪講/郷学と学制小学校/輪講の廃止/会読・輪講廃止の理由

終 章

初出一覧
あとがき
江戸教育史年表
索引

前田 勉[マエダ ツトム]
1956年生.東北大学大学院博士後期課程単位取得退学.現在,愛知教育大学教授.博士(文学).専攻,日本思想史.主著,『近世日本の儒学と兵学』,『近世神道と国学』,『江戸後期の思想空間』(以上,ぺりかん社)『兵学と朱子学・蘭学・国学』『江戸の読書会』(以上,平凡社選書) 他

内容説明

エリート教育か/藩士全体の教養の底上げか。教師による講釈か/自由闊達な議論を認める集団読書(会読)か―。学問が出世に結びつかない身分制社会の近世日本において、ようやくつくられはじめた学校はさまざまに展開する可能性があった。学ぶ理由が明確でないなかで、学校はいかに生まれ、人々はそれになにを求めたのか。学習の方法、教育の目的に注目することで、官学/私塾、儒学/国学/蘭学といった枠組みを超え、一七世紀から明治初期までを見通し、江戸教育思想史に新たな地平を拓く意欲作。

目次

江戸教育思想史序説
第1編 学校構想と家訓(林家三代の学問・教育論;江戸前期の学校構想―山鹿素行と熊沢蕃山との対比;山鹿素行における士道論の展開;貝原益軒における学問と家業)
第2編 儒学の学習法と教育・教化(太宰春台の学問と会読;一八世紀の文人社会と学校;細井平洲における教育と政治―「公論」と「他人」に注目して;寛政正学派の『中庸』注釈)
第3編 国学と蘭学の学習法と教育・教化(一八世紀日本の新思潮―国学と蘭学の成立;江戸派国学と平田篤胤―村田春海・和泉真国論争をめぐって;平田篤胤の講釈―『伊吹於呂志』を中心に)
第4編 私塾と藩校(広瀬淡窓における学校と社会;吉田松陰における読書と政治;長州藩明倫館の藩校教育の展開;加賀藩明倫堂の学制改革―会読に着目して;明治前期の「学制」と会読)

著者等紹介

前田勉[マエダツトム]
1956年生まれ。東北大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、愛知教育大学教授。博士(文学)。専攻、日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きさらぎ

6
筆者自身『江戸の読書会』における会読研究の増補版、という。江戸初期から幕末・明治まで、会読の具体例を時系列的に挙げることで「会読から見た江戸時代の教育思想史」を構成する。単発の論文メインなので、全体を貫くものが見えにくい印象。本というより論文集かな。林家に関心があれば林家三代の章、幕末長州に興味があれば吉田松陰と明倫館の章が興味深いと思う。博学は家業、と主張する鷲峰のやや屈折した自尊心や、羅山から鷲峰、梅洞へと続く父子による学の継承、長州での藩校と私塾の関係や、それと加賀藩明倫堂との比較などが面白かった。2019/03/04

ぽん教授(非実在系)

3
会読に限らず素読と講釈も扱う。明治の最初期に藩校由来で学制に導入された会読が結局小学生には難しすぎる(予習必須、討論不可欠)ことや、自由民権運動活発化を受けた討論の危険性、更にはそもそも身分制度の撤廃による会読の場への憧れの低下、更には立身出世が教育の目標になったことで学問は個々人のものとなったこと、それぞれが会読が廃れた理由だとまとめる第五章・終章は特によかった。2021/03/03

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