内容説明
近代日本で行われた「記念植樹」を、個別の歴史事象、林学の創成と展開など時代背景と照合しながら、その活動の主導的立場にあり、方法論を構築した林学者・本多静六に注目し、彼の生家の富士山信仰・不二道の思想的影響も視野に入れながら、近代国家形成のあゆみに記念植樹を位置づける。
目次
第1部 「記念植樹」とはなにか―形態と歴史的諸相(記念植樹の形態;記念植樹をめぐる歴史的諸相)
第2部 林学者本多静六の思想(不二道の歴史と思想;本多静六と明治の林学・林政;本多造林学における記念植樹の理念と方法)
第3部 「記念植樹」の近代日本―明治~大正~昭和の系譜(学校教育と記念植樹;御聖徳と記念植樹―明治から大正へ;平和と記念植樹―第一次世界大戦後の平和記念事業を主体に;帝都復興と都市美運動―都市緑化の理念と方法;「大記念植樹」の時代―昭和戦中期の時局を基軸に)
記念植樹と日本人―ひとはなぜ樹を植えるのか
著者等紹介
岡本貴久子[オカモトキクコ]
国際日本文化研究センター共同研究員。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了、博士(学術)。所属学会は文化資源学会、美術史学会、生き物文化誌学会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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