出版社内容情報
浮世草子作家の嚆矢であり江戸時代前期を代表する作家の一人、井原西鶴(1642~1693)。その文芸作品に、いかに当時の茶の湯文化が反映されていたのか、西鶴が浮世草子作家になる以前の俳諧師時代、さらに『好色一代男』から遺稿集にいたるまでの浮世草子作品をとりあげ、その影響関係を検証する。
西鶴は、じつは千利休に代表される「わび茶」の美意識に強く影響を受けていた。その茶の湯観は芭蕉の求めた「わび」にも通じるものがあり、それが西鶴作品の人間観照の鋭さにも深く関わっていたのである。
目次
序 章
第一部 俳諧師西鶴と茶の湯
第一章 俳諧師西鶴と茶の湯文化
西鶴の茶の湯観/『毛吹草』と茶の湯/『類舩集』と茶の湯/『西鶴大矢数』と茶の湯
第二章 西鶴の茶の湯文化への造詣
「しをり」と「しほり」/「茶の湯」と「しほらし」/西鶴の「しほらし」
内容説明
浮世草子作家の嚆矢であり江戸時代前期を代表する作家の一人、井原西鶴(一六四二~一六九三)。その文芸作品に、いかに当時の茶の湯文化が反映されていたのか、西鶴が浮世草子作家になる以前の俳諧師時代、さらに『好色一代男』から遺稿集にいたるまでの浮世草子作品をとりあげ、その影響関係を検証する。
目次
第1部 俳諧師西鶴と茶の湯(俳諧師西鶴と茶の湯文化;西鶴の茶の湯文化への造詣)
第2部 西鶴作品にみられる茶の湯(『好色一代男』にみられる茶の湯文化―巻五の一「後には様つけて呼」・巻七の一「其面影は雪むかし」を中心に;『西鶴諸国ばなし』と茶の湯―巻五の一「灯挑に朝顔」に何を読むか;『武家義理物語』巻三の二「約束は雪の朝食」再考―茶の湯との関連から;『日本永代蔵』巻四の四「茶の十徳も一度に皆」考;『日本永代蔵』の「目利き」譚―巻三の三「世はぬき取の観音の眼」・巻四の二「心を畳込古筆屏風」から ほか)
著者等紹介
石塚修[イシズカオサム]
1961年栃木県生まれ。1985年、筑波大学大学院教育研究科修了。博士(学術)。現在、筑波大学人文社会系准教授。専門分野は日本近世文学・国語教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。