出版社内容情報
農業近代化の過程で重要な役割を果たした「老農」といわれた農事改良者たちは近代化のなかで忘れられた存在である。
除草機「太一車」の発明者として知られる中井太一郎について、ライフヒストリーを丹念にたどりながら、彼の技術・思想や、その全国巡回を支えた組織・団体などを明らかにする。
内容説明
いままでの中井太一郎についての論述が、いずれも部分的、概略的、断片的であるのに対し、本書では彼のライフヒストリーを丹念にたどりながら、幕末から明治維新以降、国や地方での勧業・勧農政策が変転するもとで、地元鳥取にとどまらず、彼の歩いた全国の道をトレースし、彼を招聘し、受け皿となった組織、団体、個人を丁寧に掘り起こしながら、彼の技術と思想を総体として初めて描いた。
目次
前半生と地租改正反対運動
明治前期鳥取県における農事改良
太一郎の農業技術体系
太一郎の技術普及(太一郎と正条植;短冊形苗代)
帝国農家一致結合と太一郎
晩年の太一郎
著者等紹介
大島佐知子[オオシマサチコ]
1936(昭和11)年鳥取県生まれ。奈良女子大学(文学部史学地理学科)卒業。鳥取県立根雨高等学校講師、黒坂中学校教諭、大阪府泉大津市立東陽中学校・大東市立住道中学校・深野中学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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