目次
1(概説:茶の湯の成立)
2(平安・鎌倉の喫茶文化;会所の茶の湯;珠光から紹鴎へ;茶会記から何を読み取るか;千利休の生涯;利休の茶の湯)
3(中国喫茶史;日本茶業史)
4(中世茶の湯研究の手引き)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
8
こちらはずつと停滞してゐる、日本の伝統文化系の読書。さしあたり、利休の生涯と茶の湯のところから必要があつて読んだが、平安・鎌倉期の喫茶文化、会所の茶の湯、茶会記、中国の喫茶史、日本の茶業史、茶の民俗と幅広い概説があり、茶の湯研究の見取り図が分かる。また、茶の湯研究史に一章が割かれてゐるのも有難い。戦後の歴史学のメインの関心から茶の湯の歴史研究は外れてをり、「色眼鏡的な差別」があつたと指摘するが、茶の湯の研究者が様々な権威から自由ではなかつたことも、茶の湯研究の独特さの原因だといふ感じも受ける。2017/02/28