目次
第1章 はじめに
第2章 ウィーン万国博覧会参同―「工芸の進歩」
第3章 ウィーン万国博覧会区分目録第二十二区―「美術ノ博覧場」
第4章 「工術博物館裨益論抄訳」―「工術ノ主旨」
第5章 ウィーンにおける平山英三の伝習―「工作図学」
第6章 勧業のための博物館と画学校―「百工ノ補助」
第7章 勧業のための博覧会―「国産年二月二声価ヲ損スルニ至ル」
第8章 応用美術の啓蒙(1)―「絵画ハ工芸ノ首要ニシテ美術ノ基本タリ」
第9章 応用美術の啓蒙(2)―「形状ハ実用ニ原ス」
第10章 意匠条例の制定―「我美術工業ノ発展ヲ企図セン」
第11章 結語
著者等紹介
天貝義教[アマガイヨシノリ]
1958年岩手県生。筑波大学大学院博士課程芸術学研究科中退。博士(学術)。秋田公立美術工芸短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鵜殿篤
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「美術」という概念の導入についてはいろいろ研究が進んでいるけれど、そこには常に「応用美術」思想との相克があった。東洋美術と西洋美術の違いの本質もそこにありそうなわけで、「日本美術」という概念に関して考える上でも応用美術への視点を欠かすわけにはいかない。美術概念について根本から考える上で、とても参考になるありがたい本。
KakeruA
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美術史から日本国がドイツの美術工芸(Kunstgewerbe)から学んだ「デザイン」という言葉と思想の原点が分かる。ウィーン博のパンフレットに英語で'design'という言葉が入っているものの、対応する日本語は「図式」であり、明治10年以降に「図案」が定着したとされるのは興味深い。現代ではさらに広がる「デザイン」という言葉をどのように捉えるのかを考えるため、歴史を遡る。2015/07/24