出版社内容情報
従来の単線・単純な辛亥革命史研究の枠組みを打開すべく、立憲国家中国の形成という観点から叙述する中国近代史。内閣制を中心とする行政制度の改革や、省制・省政の改革を軸に、大隈重信などの政治指導者や、有賀長雄のような伊藤系の法学者などの影響を具体的に把握することで、明治憲政の影響を動態としてとらえる。
目次
序章 近代中国における憲政導入の模索
第1章 日露講和問題と海外政治視察団の派遣
第2章 海外政治・憲政視察団の派遣と日本
第3章 編纂官制館・憲政編査館と官制改革案の作成
第4章 官制改革の推移と日本・日本人
第5章 地方官制改革と省行政組織の改編
第6章 地方行政組織の改編と諮議局創設への着手
第7章 諮議局の創設と国会開設期限短縮後の官制改革
第8章 中華民国憲法案の起草と外国人顧問
第9章 中華民国初年における地方制度改革案の審議と挫折
第10章 中華民国成立後の憲法案と地方制度改革論
終章 明治憲政と近代中国―同時代日本人の観察
著者等紹介
曽田三郎[ソダサブロウ]
1948年島根県生。広島大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士課程単位取得退学、博士(文学)。広島大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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