出版社内容情報
「世界文学において漱石をとらえなおす」という視点のもと、夏目漱石が世界文学を意識し、そこから多大な影響を蒙ったことの検証だけでなく、漱石がその後の日本文学を含め世界文学に与えたインパクトや、世界で漱石文学が翻訳のかたちでいかに受容されたのかなどをも見極める9篇。漱石ゆかりの熊本大学の教員を中心とした共同研究の成果。
目次
1 漱石と東アジア(門前の彷徨―豊子〓(がい)「法味」と漱石「初秋の一日」及び『門』
自失した者たちのめざめ―『坑夫』と楊逵『増産の蔭に 呑気な爺さんの話』を中心に
「白雲」と「孤雲」―「眠耳双忘身亦失、空中独唱白雲吟」句をめぐって
韓国における夏目漱石研究の様相―日本での研究と関連づけて ほか)
2 漱石と欧米、ロシア(存在への根源的な問い―『道草』を中心に;漱石とハーンにおける「超自然性」;フランスにおける漱石の受容について;「恐露病」の想像力―『それから』における“ロシア”)
著者等紹介
坂元昌樹[サカモトマサキ]
1968年生。東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程単位取得退学。熊本大学文学部准教授
田中雄次[タナカユウジ]
1943年生。熊本大学名誉教授
西槇偉[ニシマキイサム]
1966年生。東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻博士課程修了。熊本大学文学部准教授
福澤清[フクザワキヨシ]
1951年生。筑波大学文芸・言語研究科博士課程単位取得退学。熊本大学文学部文学科超域言語文学コース教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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