内容説明
戦後、日本史の研究はその範囲の広さと内容の豊かさの両面においていちじるしい進展を遂げた。中世史の分野もその例外でなく、最近の静かな中世史ブームは特定の対象に限られたものとはいえ、これまでの中世史研究の蓄積に支えられた、中世への関心の深まりを背景として生起したとみてよいであろう。しかしながら、その反面、ほとんど研究の進展からとり残された部分があったことも否定できない。その一つが、本書でとりあげる公家政権ないし公武関係についての考察である。
目次
第1章 南北朝成立前史(鎌倉後期の朝幕関係―皇位継承をめぐって;後醍醐天皇前期親政期の記録所)
第2章 建武政権(建武政権の法制―内閣文庫本「建武記」を素材として;建武政権の構成と機能)
第3章 北朝の政務運営(光厳上皇院政;後光厳天皇親政;後光厳上皇院政;後円融天皇親政;北朝の検非違使庁)
第4章 北朝と室町幕府(公武関係の諸側面;足利義満政権と伝奏)
著者等紹介
森茂暁[モリシゲアキ]
1949年長崎県生まれ。1972年九州大学文学部国史学科卒業。1975年九州大学大学院文学研究科博士課程を中途退学し九州大学文学部助手となる。1985年文学博士(九州大学)。1997年山口大学人文学部教授より福岡大学人文学部教授に移り現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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