反・観光学―柳田國男から、「しごころ」を養う文化観光政策へ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 231p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784779513060
  • NDC分類 689
  • Cコード C0026

出版社内容情報

柳田國男,内田義彦,宮本常一,司馬遼太郎,白洲正子,柳宗悦,南方熊楠。七賢人の著作と思想に探る,観光学の再構築への鍵。

 はじめに  



序章 文化と観光と人文知



 1 「観光」再考  



 2 忘れてはならない人文知  



 3 内田義彦が残した言の葉を手掛かりに 



 4 「脱観光的」観光力 



第1章 柳田國男の警鐘



 1 経世済民、学問救世と民俗学



 2 「遊海島記」の世界に観る文化と警鐘 



 3 今一度再考したい、文化とは? 



 4 文化政策再考 



 5 まちつむぎと観光の所在  



第2章 宮本常一の憧憬



 1 民俗学への旅



 2 観光文化論の創始者



 3 観光資源と常在観光のススメ

 

 4 「若い人たち・未来」のために 



第3章 司馬遼太郎の葛藤



 1 日本とは、文化とは、文明とは? 



 2 街道と文化 



 3 もう一度、近江に 



 4 絶筆『濃尾参州記』の旅 



第4章 白洲正子の愛惜



 1 美をさらに輝かせるもの、それは楽屋裏 



 2 湖北(江北)をゆく   



 3 湖北とかくれ里  



第5章 柳宗悦の美学

     ――対峙して談じる柳田國男――



 1 民藝と用の美というくらしの流儀



 2 民藝と民俗学  

    ――対峙して談じる柳と柳田――



第6章 南方熊楠の地平0

     ――交して信じる柳田國男――



 1 南方のまなざし  



 2 神社合祀令に抗して 



 3 真摯な遊び心と真実 



  *



 註  



 おわりに――謝辞に代えて―― 



 事項索引  



 人名索引  


井口 貢[イグチ ミツグ]
著・文・その他

内容説明

観光学は「金もうけ学」でいいのか!?柳田國男、内田義彦、宮本常一、司馬遼太郎、白洲正子、柳宗悦、南方熊楠。七賢人の著作と思想に探る、観光学の再出発への手がかり。

目次

序章 文化と観光と人文知
第1章 柳田國男の警鐘
第2章 宮本常一の憧憬
第3章 司馬遼太郎の葛藤
第4章 白洲正子の愛惜
第5章 柳宗悦の美学―対峙して談じる柳田國男
第6章 南方熊楠の地平―交して信じる柳田國男

著者等紹介

井口貢[イグチミツグ]
1956年滋賀県生まれ。滋賀大学経済学部卒業。滋賀大学大学院経済学研究科修士課程修了。同志社大学政策学部総合政策科学研究科教授。文化政策学・文化経済学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

12
全国で画一的なB級グルメやゆるキャラが跋扈し、コンサルがまちづくりやおもてなしを進める現在日本中で見られる観光の形を、柳田國男・宮本常一・司馬遼太郎らの思想によって相対化していく本。やや散漫な印象も受けたが、著者の意見には共感できる部分が多かった。2022/01/09

Nさん

3
著者の民俗学愛に溢れる一冊。主に、柳田國男・宮本常一・司馬遼太郎・白洲正子・柳宗悦・南方熊楠を読み解きながら、地域固有の文化を考える。近年のゆるキャラ・B級グルメなどの一時の流行り、他の地域の真似事ではなく、その地域にはその地域なりに大切にしてきた文化(固有価値)があるはずではないかと。本当に「まちおこし」を考えるならば、私たちは本気で目を向けなければならないものがある。東京のコピーでなく、歴史の武勇伝でもない、「常民」の生活の中に観光のヒントが隠されている。そこに民俗学のアプローチがきっと活きてくる。2019/09/21

Hiroki Nishizumi

2
言いたいことがぼんやりと分かるような気もするが、焦点がしっかりしていない感じだ。内容は肯定的に感じるものの柳田国男や宮本常一あたりはまぁまぁだが司馬遼太郎あたりになると拡散感が強くなる。2023/01/04

Sohei

1
いつ読み始めたかは覚えてないけれど、ちょっとずつ読んでいた本。本書の中で紹介された人々の案内状でありながら、著者の思想の根元を流れる風を感じられたように思う。特に柳田國男、宮本常一、白洲正子の章は気に入って読んだ。柳宗悦の章での柳田、柳の相違が文人ならではの相違だと述べたところに関してはこの本を一読した限りでは腑に落ちなかったが、また機会があれば彼らの思想をより深く知ることもあると思う。 観光が観光産業ではなく文化観光であるべきだというような主張におおむね賛同している。2020/05/18

ゆかり

0
観光学が経営・商業的な側面ばかりを重視すると、大量生産、大量消費、画一化などによってその土地の文化が損なわれる。土地の中で受け継がれている文化をエピゴーネン(単なる模倣)ではなくオマージュしていくことが、これからの文化継承には必要である。2021/02/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13093999
  • ご注意事項