内容説明
公共空間から排除された者たちの公共性はいかにして可能か。他者と共存する複数性の領域として公共性を批判的に捉え返す試み。
目次
複数性の森にこだまする神々の声―天皇・国民・賎民について
第1部 排除する公共性(植民地朝鮮の神社に祀られなかった神々―宗教的な法的秩序の内と外;神国と排除―日本中世から考える;祀られざる神の行方―神話化する現代日本)
第2部 法的なものと排除(フランスにおける「承認のライシテ」とその両義性―ムスリムの声は聞こえているか;宗教、自由と公共性―靖国参拝違憲訴訟を考える;公共性と犠牲―十字架の神学を手掛かりに)
第3部 排除される者たちの公共性(福島原発災害への仏教の関わり―公共的な機能の再発見の試み;「臨床宗教師」の誕生―公共空間における宗教者のあり方;“ラルシュ”で生きる『人間の条件』―ヴァニエ、アレント、クリステヴァ―異邦人は招く)
國體・主権・公共圏―公共性の(不)可能性について
著者等紹介
磯前順一[イソマエジュンイチ]
1961年生まれ。国際日本文化研究センター教授。東京大学博士(文学)。専攻は宗教・歴史研究
川村覚文[カワムラサトフミ]
1979年生まれ。東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣特任助教。オーストラリア国立大学博士。専攻は近代日本思想史、文化理論、文化・宗教研究、政治・社会思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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