内容説明
なぜ英国はガーデニング王国なのか―「庭園」を語り、自分の「庭」を楽しむ文学者たち。英国の「庭園史」と「文学史」をあわせて辿ることで、英国文化の特質に迫る“英国庭園の文化史”。英国内の庭園80余りを紹介。「英国主要庭園ガイド」付。
目次
序 「英国庭園」と「イングランド式庭園」
第1章 イングランド式庭園の「先史時代」
第2章 イングランド式庭園の成立まで
第3章 イングランド式風景庭園の全盛時代
第4章 「秘密の花園」の復活―イングランド式庭園のもうひとつの伝統
第5章 二十世紀の英国庭園―規則性と不規則性、あるいは女性造園家の活躍
第6章 現代の英国庭園
終章 「イングランド的なるもの」と庭園
著者等紹介
安藤聡[アンドウサトシ]
大妻女子大学比較文化学部教授(英語・英文学・英国文化)。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miki
15
卒論のための文献として読みましたが、写真も多く見ていて楽しかったです。この写真が白黒なのが残念なところですが、実際に写真があると一目瞭然、美しい庭園に目も心も奪われます。庭園のおもしろさを見直すきっかけになりました。2013/12/11
viola
7
ちょっと期待して読んでしまったせいか、思っていたものと違う・・・・。(勝手に違うものを想像してしまっただけです)文学よりも、庭の文化史の専門書ですね。庭の写真はかなり豊富。内容が盛り沢山な分、それぞれに割けるページ数が少なくなってしまって、全体的に表面的なことしか触れられていません。特に文学はその傾向が強いため、もうちょっと絞って書いてくれた方が分かりやすかったかも。ただ、『ハリー・ポッター』のダーズリー家とウィーズリー家の階級から見た庭というのは面白い!2012/01/21
lemon tea
3
思っていたのよりも文学の内容は少なかったですが英国の庭園の歴史(中世から現代まで)についてはかなり深くわかって総合的には読んで良かったと感じました。最終章の「イングランド的なるものと庭園」ではイングランド的精神とは中庸と控えめなことと言っていてそのような気質により庭もはっきりした規則性があるものではなく結果的に不規則なものとなっていったようです。その気質は英語という言語にもつながるらしい。庭と階級についても興味深かったです。イギリスの庭の出てくる本を読みたくなりました。2012/03/25
ジュリ
2
英国の庭は整形庭園のように整えられたものをイメージしていたけれど、自然の風景に近い形にしたものや、いろいろな植物を植えたもの、アーツ&クラフツ運動の庭など、いろいろなものがあることを知った。2021/10/26
もりおか
1
英国庭園=コッツウォルズの原風景というイメージがあったが、英国庭園の先史時代として16世紀辺りからフランス式庭園、産業革命後のアーツ・クラフツと歴史と背後にある文化が集積し現在の形になった、と思うとさすが奥が深い。 思えば最近読んだオースティンの「エマ」にもハートフィールドの田舎の広々として使用人によって綺麗に刈り込まれた庭が出てきたし、「みどりのゆび」という児童文学はゆびで花を咲かせる事が出来る少年が庭師の老人に大切なことを教えてもらう話であり、英国文学と庭園は切って切り離せない。2017/12/29
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