ジェンダー表象の政治学―ネーション、階級、植民地

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  • サイズ B6判/ページ数 296,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784779116087
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0030

内容説明

表象は、制度や社会システムといかに結びつき、どのように支配的言説を構成していくのか。世界のジェンダーのありようから浮かび上がる、近代という時代の性質。一橋大学リレー講義「ジェンダーから世界を読む」から生まれた、多彩な論考11編。

目次

第1部 ヨーロッパ大陸(オリエンタリズムはいかに発現するか―シャセリオーの絵画作品の受容をめぐって;フランスの「国民的料理」と女たち;世界転換期の古代女人像―ホフマンスタール作『エレクトラ』)
第2部 イギリスとアイルランド(一九世紀イギリスの選挙法改正と「男らしさ」の定義;『谷間の陰』のノラが表すもの;「堕落した女」と「聖女」―アイルランドとイギリスを結ぶ近代マグダレン言説再考)
第3部 アメリカ(「国民」の創生―白い男たちの帝国;合衆国が個人主義の国になったとき女はどうなるのか―冷戦期の西部劇『シェーン』と『真昼の決闘』)
第4部 アジア(肩が踊りだす―崔承喜について;「植民地/女性」を語ること―謝雪紅の評伝・小説・自伝をめぐって;ヴェールの自伝)

著者等紹介

中井亜佐子[ナカイアサコ]
一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門分野は英文学、ポストコロニアル研究

吉野由利[ヨシノユリ]
一橋大学大学院法学研究科准教授。専門分野は18・19世紀イギリスとアイルランドの文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヒナコ

3
収録論文、中井亜佐子の「ヴェールの自伝」の感想を。 トルコの知識人女性ハヌーム姉妹は、イスタンブールでトルコ人に混じって潜入取材をした中産階級のイギリス人女性のエリソンの協力を得て、トルコからヨーロッパに亡命し、敢えてトルコ風に自己演出を施した文芸作品を発表する。彼女たちの交流は、最終的には、ハヌーム姉妹のヨーロッパへの失望で幕を閉じることになるが、その知的労働は黒人女性奴隷によるシャドウワークに支えれていた。 それぞれの交流と交流不可能性についての中井の批評は鋭く、平衡感覚を揺さぶられる思いがした。2019/04/16

ななし

2
男性的、女性的という価値観がイギリスでは19世紀に作られたものという話。イギリスに限らずほとんどの国では近代国家黎明期に作られただろう。2021/07/28

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