内容説明
アメリカ社会のなかで、ベトナム戦争の影に追われて生きる移民母娘の葛藤を通して描くモダンフィクション。
著者等紹介
ラン・カオ[ランカオ][Lan Cao]
1961年ベトナム、サイゴンの生まれ。ベトナム戦争サイゴン陥落間近の1975年、13歳のときにアメリカへ渡る。マウント・ホリヨーク・カレッジで政治学を専攻し、イェール大学法科大学院に進む。ニューヨークの法律事務所に勤務したのち、ブルックリン・ロー・スクールにて国際法の教鞭を執る。文学・歴史にも興味を示し、1996年に共著で『アジア系アメリカ人の歴史で知っていなければならないこと』を出版。翌1997年にはデビュー小説となる『モンキーブリッジ』を発表した
麻生享志[アソウタカシ]
1965年東京生まれ。ニューヨーク州立大学バッファロー校博士課程修了(比較文学)。早稲田大学教授。現代アメリカ文化・文学研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
20
ベトナム戦争はまさに代理戦争だ。元はフランスの植民地だったベトナムが独立し、北緯17度を南北の暫定的軍事境界線とし、南北を分割した流れは朝鮮戦争と同じだ。アメリカの支援を受けるようになった南ベトナムと、共産勢力の北ベトナムの戦いは10年間続き、アメリカの直接関与は1973年に終わり、ラオス内戦、カンボジア内戦を経て、1975年に3カ国とも社会主義化して終結した。同著者の「蓮と嵐」と本編の主人公の名前は同じ、マイだ。しかし本作の場合、語り手はマイ以外にもいる。2021/12/06
Porco
19
幼い頃に、母とともにベトナム戦争から逃れて米国に渡った女性が主人公。移民小説であり、ベトナム戦争ものの面もあります。2019/10/30