内容説明
ドイツとベルリンは、ソ連と米英仏の共同占領の下におかれ、冷戦が進むにつれ、東西ドイツと東西ベルリンに二重に分割される。それにたいして日本は、原爆の威力によってアメリカが日本占領の主導権を握った。日本人が冷戦を身近に感じるのは、朝鮮戦争がきっかけであった。その朝鮮戦争も、文字通り対岸の火であり、むしろ特需景気が経済成長の呼び水として歓迎された。やがて、東西両陣営で従属化された中小の国々はかえって自立性を主張し、さらには冷戦の中立勢力や第三世界のさまざまな勢力が、「尻尾が犬を振る」という現象を起こしたが、日本は、アメリカに自立の気配を見せることもなかった。そのため、冷戦の意識が薄く、冷戦は終わったという意識も薄い。それが国民の政治意識と政府の内外政策にいかに反映しているのか、日本の読者に問いかけられている。
目次
序章 未来への展望
第1章 恐怖への回帰
第2章 死のボート(デス・ボート)と救命艇(ライフ・ボート)
第3章 命令と自発性
第4章 自立性の出現
第5章 公正さの復活
第6章 主役たち
第7章 希望の勝利
終章 過去への展望
著者等紹介
ガディス,ジョン・L.[ガディス,ジョンL.][Gaddis,John Lewis]
エール大学歴史学部教授。アメリカを代表する冷戦史研究者
河合秀和[カワイヒデカズ]
1933年京都市に生まれる。学習院大学名誉教授、中部大学特任教授
鈴木健人[スズキタケト]
1958年東京都に生まれる。広島市立大学国際学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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