出版社内容情報
本書はアジア諸国の民族舞踊を調査したこれまでの論文をもとに、新たに加筆したものである。一九六九年にはじめてアジアを旅した。わたしにとっては新世界の発見である。自然と人間が渾然一体となって生きている。生きることのすばらしさは精神生活と結びつき、その精神世界は寺院や祠だけでなく、舞踊や人形劇、音楽などにも顕現されていた。人々はこうした表現芸術を通して民族の精神文化を体得してきていた。(中略)アジア舞踊のフィールドノートには、この相違を明確にするとともに不変的な隠れた精神文化が記述されている。それぞれの舞踊に関する論文を読むと、表面的には同じように見える舞踊には異なる文化が反映されているが、根源的な精神世界は民族文化を越えて変わらないコスモロジーがある。(「あとがき」より)
内容説明
失われた精神世界を取り戻すためのフィールドノート!神と共生する世界への誘い。
目次
プロローグ 民族舞踊との出会い
1 インドの民俗劇―ヤクシャガーナとチョウ(ウディピ・プルリア)
2 ミャンマー舞踊の壁画踏査(ミャンマー・パガン)
3 仮面舞踊劇コーン(タイ・バンコック)
4 アンコールの舞姫―アプサラ(カンボジア・シェムリアップ)
5 ジャワの宮廷舞踊(インドネシア・ジョグジャカルタ)
6 ガンブー舞踊劇(バリ島・バトゥアン村)
7 レゴン・クラトン―宮廷舞踊(バリ島・ウブド村)
8 雅美(ヤミ)族の呪術舞踊(台湾・蘭嶼島)
エピローグ 隠れた動作を読む
著者等紹介
宮尾慈良[ミヤオジリョウ]
1948年東京生まれ。1976年早稲田大学大学院修士課程修了。79年台湾師範大学留学。81年ハワイ東西文化センター奨学制度でハワイ大学大学院博士課程留学。East West Centre研究員、東京女学館短期大学助教授、慶應義塾大学地域研究センター共同研究員を経て、アジア民族造形文化研究所教授。早稲田大学、慶應義塾大学、実践女子大学、日本大学大学院講師。専攻は比較演劇、アジア舞踊。芸術学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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